【取材】web3企業支援のArriiba Studio、本格始動とDAO化の方針示す

web3企業支援のArriiba Studio、本格始動とDAO化の方針示す

シンガポールと東京拠点のweb3スタートアップアクセラレーターのアリーバ・スタジオ(Arriba Studio Pte.Ltd.)が本格始動したことが4月27日に分かった。

アリーバ・スタジオの創業メンバーはスマートアプリ(現SBI NFT)のファウンダー佐藤崇氏、GMO Venture Partnersの元パートナー宮坂友大氏、double jump.tokyo(DJT)の共同創業者兼元COOの玉舎直人氏の3名だ。

発表によるとアリーバの活動は、国内のベンチャーキャピタルや事業会社が投資・保有することが難しいとされるweb3スタートアップ発行のトークンへの投資・所有などを支援を行うとしている。

また同社は投資だけでなく、海外拠点開設や事業グロース、人材採用、組織設計、トークンエコノミクスの設計、調達やEXIT/上場について、深く関与する形でサポートしていくとのこと。

同社は10億円を上限として資金調達を行い、国内外のweb3スタートアップ企業へのトークン投資を推進していくようだ。

ちなみに支援プロジェクト数は30から40社ほどを予定し、web3業界の市場拡大とイノベーションの創出を展開していくという。

すでに同社はNFT支援やブロックチェーンゲーム開発のDJT、ブロックチェーンゲームギルド「YGG」の日本法人「YGG Japan」などへの支援が決定しているとのこと。

なお同社は組織をDAO化する方針を持っており、そのために独自トークン「Arriba Token(仮称)」の設計も推進していく予定とのことだ。

アリーバ・スタジオ創業者佐藤崇氏へ取材

あたらしい経済編集部は、アリーバ・スタジオ創業者の佐藤崇氏へ取材を行った。

−−投資家としてトークンと株式でのファイナンスの違いは、どのように感じていますか?

これまで株主・役員・従業員・顧客と分断されてきた会社や事業をとりまくステークスホルダーがトークンのもとになめらかに融合し、共に共創しています。株主資本主義からステークホルダー資本主義にシフトする中でトークンが解決策の1つになるかもしません。

それが結果としてトークンベースのプロジェクトは、株式投資と比較して遥かに短期間に事業成長していくことで証明されてきていると思います。

とはいえ一方で、ガバナンス、既存の調達手法との共存、規制やインフラの整備、取引所への上場の成長持続性などは成長過渡期にある的な課題は山積しています。我々自身としてもこうした問題の解決に努めていきたいと思います。

−−スタートアップ支援組織のDAO化のために、最も重要なファクターはなんでしょうか?

DAOはインセンティブを中心としたコミュニティの在り方がすべてだと思っていますので、まずは準備を進めているArriba Token(仮) の企画・設計が最大のポイントだと考えています。

−−今後web3で盛り上がりそうな分野はどこでしょうか?

今はチャンスしか感じませんので全方位で考えていますが、メタバースなどネットの世界で完結する価値を感じさせやすいもの、エンタメ系、クリエイターエコノミー系、仕事系は中でも強いと考えています。

images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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