IPCC、暗号資産やブロックチェーンの環境負荷を指摘

IPCC、暗号資産に対する電力消費が主要なCO2排出源となりうると指摘

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、報告書を4月4日に公開した。報告書によると地球温暖化による気温上昇を目標値の1.5℃に抑えるには、二酸化炭素排出量を2025年までに減少に転じさせる必要があるとのこと。

今回公開された報告書は第6次評価サイクルの3つ目の報告書であり、主に気候変動の緩和策について記載されている。具体的には、どのような分野でどのくらいの炭素排出量があり、地球温暖化防止のためには何をすべきかが記載されており、その中の一分野として暗号資産やブロックチェーンにも触れられている。

報告書によると、情報技術の発展は輸送コストなどを削減する一方で、それらを管理するデータシステム(ブロックチェーンを含む)は電力集約型であり、エネルギー需要を高めると指摘されている。また暗号資産については、マイニングに使用される電力を脱炭素化できなければ、世界の主要な二酸化炭素排出源となりうるとのことだ。

また、ブロックチェーンの電力使用に関する不確実性にも触れられており、ビットコインの消費電力量の推定値が推定方法によって大幅に異なることも指摘されている。

昨今、暗号資産の環境への影響について世界各国で注目が集まっている。アメリカでは、3月9日に署名された暗号資産にまつわる大統領令に応じて、科学技術政策局が暗号資産の環境エネルギーおよび気候への影響に関するパブリックコメントの募集を開始している。

また東京証券取引所などを傘下に持つ日本取引所グループはカーボンニュートラルな資金調達を目標とし、二酸化炭素排出量を反映したデジタル環境債の発行を進めている。

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参考:IPCC
デザイン:一本寿和
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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。