シティ、メタバース市場が2030年までに約1,600兆円規模と予想

シティグループがメタバースについてレポートを発表

米金融大手シティ・グループ(Citi Group)が、メタバースの経済圏が2030年までに8兆ドル(約980兆円)から13兆ドル(約1,600兆円)に達する可能性があるとした内容のレポートを発表した。またメタバースのユーザー数についても50億人程度になる可能性も示している。

3月31日に公開されたレポートによると、シティは「メタバースが純粋なバーチャルリアリティの世界ではなく、物理世界とデジタル世界を持続的かつ没入的に融合させた次世代のインターネットになり得ると考えています」とメタバースについて定義している。

またメタバースが今後、商業、芸術、メディア、広告、医療、ソーシャルコラボレーションなど様々なケースにも応用されることも説明している。

なおこのような市場のレベルになるには、インフラへの投資が必要だとも指摘されている。メタバースのコンテンツストリーミング環境の計算量は、現在の1,000倍以上の効率化を実現する必要があるとも伝えられている。

効率化実現への投資対象はコンピュータ、ストレージ、ネットワークインフラ、コンシューマーハードウェア、 ゲーム開発プラットフォームなどであるとのことだ。

またオープン・メタバースにおける貨幣の定義は現実の世界で通貨としてカウントされるものとは大きく異なり、相互運用性の基盤となるブロックチェーン技術間のシームレスな交換が重要であるとも述べられている。

将来のメタバースにはより多くのデジタル・ネイティブ・トークンが含まれるが、従来の形態の通貨も埋め込まれるとし、メタバースにおける通貨はゲーム内トークン、ステーブルコイン、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、暗号資産(仮想通貨)という異なる形態で存在し得ると説明されている。

さらにシティは「メタバースがインターネット技術の新たな繰り返しであるならば、世界各国の規制当局、政策立案者、政府からより厳しく監視されるだろう。取引所やウォレットにおけるマネーロンダリング防止規則、分散型金融(DeFi)の利用、暗号資産、財産権などの問題に対処しなければならない」と規制対応への必要性をレポートしている。

なお米金融大手のモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は昨年11月にメタバースについて、8兆ドル(約980兆円)規模の市場として見なしていることを発表している。またモルガン・スタンレーは、メタバースが次世代のソーシャルメディア、ストリーミング、ゲームのプラットフォームになる可能性が高いとも述べていた。

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参考:レポート
デザイン:一本寿和
images:iStocks/metamorworks・artace

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呉心怡

「あたらしい経済」編集部 中国・浙江省出身の留学生。東京女子大学 人文学科に在学中。 文章を書くことが好き。中国語、英語、日本語の3か国語を話す。あたらしい経済では持ち前の語学力を活かし、ニュース記事を執筆。ブロックチェーンや経済分野については勉強中。