バイナンス、米国での暗号資産関連訴訟の棄却を勝ち取る

バイナンスへの暗号資産販売に関する米国での訴訟が棄却

取引高世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、米国において取引所や証券会社として登録せずに未登録のトークン(暗号資産)を販売したことで米証券法に違反したとする訴訟が、3月19日に棄却されていたことが分かった。

この訴訟は、2017年からバイナンスのオンライン取引所を通じてトークンを購入し、すぐにその価値の多くを失ったと主張する暗号資産投資家が、マンハッタンで起こしていたものだ(なおその投資家らが購入したトークンはEOS(イオス)、QSP(クオントスタンプ)、KNC(カイバーネットワーク)、TRX(トロン)、FUN(ファントークン)、ICX(アイコン)、OMG(オーエムジー)、LEND(レンド:旧Aave)、ELF(エルフ)の9種類)。

327ページに及ぶ訴状の中で投資家たちは、バイナンスが「不当に数百万件の取引を行い」、トークンを購入する際の「重大なリスク」について警告をしなかったと主張し、支払った金額の回収を求めていた。

しかしアンドリュー・カーター(Andrew Carter)連邦地裁判事は、投資家が訴えたのは購入から1年以上経ってからであり、遅すぎると指摘した。

またバイナンスが米国内のアマゾンのコンピューターサーバーやイーサリアムのブロックチェーンコンピューターを使用していたとしても、国内の取引所ではないため、国内の証券取引法は適用されないとした。

「原告は、米国にいる間にトークンを購入し、バイナンスのウェブサイトをホストするカリフォルニア州にあるサーバー上で全体的または部分的に所有権が移ったことを述べる以上のことを主張しなければならない」とカーター氏は述べている。

原告側の弁護士であるカイル・ローシュ(Kyle Roche)氏はコメントを控えた。またバイナンスとその弁護士は、コメントの要請にすぐには応じなかった。

2020年4月の訴訟のちょうど1年前に米証券取引委員会が彼らのトークンを証券と特徴付ける「枠組み」を発表したときに、時効が進行し始めたと投資家たちは主張した。

バイナンスは、ケイマン諸島に登記された持ち株会社を持つという、不透明な企業構造をとっている。創業者で最高経営責任者のCZ(Changpeng Zhao)氏は10月、バイナンスが世界各地に「いくつかの本部」を設置する計画であると述べた。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。

Crypto exchange Binance wins dismissal of U.S. lawsuit over digital token sales
Reporting by Jonathan Stempel in New York; Editing by Nick Zieminski

翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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