【取材】Web3特化ファンド「gumi Cryptos Capital Fund II」、約130億円資金調達

Web3特化ファンド「gumi Cryptos Capital Fund II」、約130億円資金調達

gumiや新生銀行らが出資するWeb3特化ファンド「gumi Cryptos Capital」が、2号ファンド「gumi Cryptos Capital Fund II」で約130億円(1.1億ドル)の資金調達を完了したことが3月31日に分かった。ちなみに今回の2号ファンドの組成は昨年9月に決議されていた。

今回の出資者はgumi、新生銀行、GMF Capital、Rockaway Venturesとなっている。2号ファンドの運用期間は10年。

1号ファンドの「gumi Cryptos Capital」は、2018年5月30日に組成された。公式発表によれば、1号ファンドの実績は投資件数が36、ファンド規模が24.4億円、これまでの投資額が20.4億円、現在価値が598億円、投資倍率が24.6倍とのことだ。投資件数36のうちエクイティが16件、トークン20件で、そのうち8件はリード投資家として参画とのこと。

1号ファンドの具体的な投資先としては、OpenSea、Yield Guild Games、Celsius Network、Qredo、Agoric、Astar、 1inch、VEGA protocolなどがある。ちなみにOpenSeaとYield Guild Gamesにはシードで投資を行なっている。

また2号ファンドは、Web3関連のゲーム、NFT、DeFi、メタバース、各種DAO関連、マルチ チェーン、マルチリージョン、クロスチェーンソリューション、インフラ、開発者向けのツール、アプリケーションなどの分野を対象に、約50社への投資を実施予定という。 出資額は初期投資および追加投資を通じて、1社あたり50万ドルから500万ドルの想定とのことだ。

gumi Cryptos Capital Fund IIのジェネラルパートナーである國光宏尚氏は次のようにコメントしている。

「我々の投資コンセプトは明確で、『Web3ならでは』を実現しているプロジェクトであること。1号ファンドでは、 DeFi、NFT、GameFi、レイヤー1、レイヤー2周りを重点的に投資してきました。いずれもWeb3ならではのプロジェクトで、各社高い成果を出しています。2号ファンドは上記に追加して各種DAO関連、メタバース、マルチ チェーン、マルチリージョン、クロスチェーンソリューションに注目していきたいと思います。 1号ファンドは我々の想定以上に素晴らしい結果になりましたが、2号ファンドでも1号を遥かに上回る成果を出し ていきたいと思います!Web3 is Now!」

gumi Cryptos Capitalの國光宏尚氏へ取材

「あたらしい経済」編集部はgumi Cryptos Capital Fund IIのジェネラルパートナー國光宏尚氏へ取材を行なった。

−−1号ファンドで大きな実績を生み出せたのは、何が要因だったと考えていますか?

1つ目は、Web3においてもシリコンバレーを軸にした米国が中心になると予想し、かなり早いタイミングで、そのネットワークに深く食い込んだことです。

また、米国のローカルチームを中心に運営したことも大きいと思います。 2つ目は投資領域をDeFiやNFTやゲーム、レイヤー1、レイヤー2など、ブロックチェーンならではのイノベーションと相性が良い領域に絞り込んだことです。上記の結果、日本とグローバルのハブになるポジションを確立することができ、さらに大きな実績につながったと思います。

−−Web3において大きな成果をもたらす事業体には、どのような素養が必要だと考えていますか?

1つ目は、既存のテクノロジーでもできることをわざわざブロックチェーンでやろうとするのではなく、ブロックチェーンじゃなきゃできないイノベーションを生み出そうとすること。

2つ目は、環境の変化に爆速で適応していくこと。

3つ目は、Day1からグローバルを意識した体制を構築していくことが重要だと思います。

 

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。