【取材】ブロックチェーンゲームギルド「YGG」が日本法人設立へ。IVC、アカツキ、DJTら出資

ブロックチェーンゲームギルド「YGG」が日本法人設立へ

ブロックチェーンゲーム関連事業を提供する国内企業ForN(フォーン)がブロックチェーンゲームギルド「Yield Guild Games (YGG)」と独占的パートナーシップを締結し、「YGG Japan」の運営を行うことを3月24日に発表した。

「YGG Japan」は4月に法人設立予定で、現在準備中とのこと。ForNは「YGG Japan」の運営会社として、日本国内および海外との提携などに関しての窓口となる予定だ。

また「YGG Japan」は、Infinity Ventures Crypto、YIELD GUILD GAMES、アカツキ、double jump.tokyo、CryptoGames、アリーバ・スタジオ、 Kiii、Days、国光宏尚氏、三宅裕之氏、森和孝氏から出資を受けたことも発表した。

なおブロックチェーンゲーム大手のアニモカブランズ(Animoca Brands)とは出資協議中とのこと。

YGGは、ブロックチェーンゲームで利益を生み出すためのNFTを提供するDAO(自律分散組織)型ゲーミングギルドであり、24カ国以上で10万人以上のプレイヤーと2万人以上のスカラー(支援を受けてゲームするプレイヤー)を抱えているとのことだ。

そしてYGGはデルフィデジタル(Delphi Digital)やアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z )、Infinity Ventures Crypto(IVC)などの投資家から資金調達も行なっている。またYGGはトークン「YGG」を発行しており、2021年のパブリックトークンセールでは、約15億円($12.5M)を調達した。

「YGG」は日本進出し、日本のゲーム会社が世界に向けてブロックチェーンゲームを立ち上げることなどをサポートしていくようだ。

またYGG Japan設立の目的について、次のようにリリースで説明されている。

「日本のゲーム市場は、中国、アメリカに次ぐ世界第三位の規模を誇り、国民一人当たりのゲーム支出額 が世界で最も高い国です。YGG JapanはそれらのユーザーにPlay to Earnの面白さを届けることを目的として立ち上げられました」

そして「YGG Japan」が調達した資金は、国内外で人気の高いブロックチェーンゲームのNFTアセットやトークンに出資し、多くの日本ゲームユーザーにブロックチェーンゲームの素晴らしさを体験できる環境を提供するために主に活用していくようだ。それ以外は、国内ユーザーやギルドに対するコミュニケーションツールの開発、海外ゲームのカルチャライズ、国内ゲームへの投資、マーケティング費等にも充当していくという。

Infinity Ventures Crypto (IVC)のPartner田中章雄氏とSenior Associate林政泰氏は次のようにコメントしている。

「IVCはPlay-to-Earnの可能性にいち早く着目し、草分け的存在であるYGGに出資した上、YGG SEAなどをYGGと共同設立し、積極的にPlay-to-Earnのモデルのグローバル展開に取り組んでいます。今まで日本市場におけるソーシャルゲームの立ち上げや投資経験を通じ、日本はPlay-to-Earnが爆発的に普及する可能性を秘めていると感じています。この度、ForN社とYGGと共にYGG Japanの立ち上げに参画できることを、大変光栄に思います

YIELD GUILD GAMES創業者兼CEOギャビー・ディゾン(Gabby Dizon’s)氏は次のようにコメントしている。

日本のゲーマーは、ブロックチェーンゲームの世界を探求するのに最適なコミュニティとなると信じています。YGG、そしてYGGsubDAOとともに、YGG Japanはプレイヤーのオンボーディング、コミュニティの 成長、そして日本のゲーマーをメタバースに引き込むゲームとの提携において、不可欠な役割を果たすと信じています

ForN社CEOの藤原哲哉氏に取材

あたらしい経済編集部はYGG Japan運営のForN社CEOの藤原哲哉氏へ取材を行なった。

−−Web2とWeb3での、ゲームプロデュースにおいて核となる違いは何だとお考えでしょうか?

「国(経済)を作ること」だと思っています。Web3におけるBCGはよくMMO RPGに似ていると言われていますが、より高度な国作りに近いことを要求されます。

また、Web2とはゲームに対する概念が大きく異なるため、ユーザーがWeb3型のゲームに移行するためにはWeb2もWeb3もどちらも正しく理解し、心地よく導いてあげる必要があります。

Web3ではDAOの考えを基盤とし、ユーザーとともにプロデュースするものだと思います。Web2よりもはるかにユーザー、コミュニティ、マーケティングが重要になると思います。

−−「Play-to Earn」から「Play-and-Earn」 へ移行させるためには、何が重要だと考えていますか?

まず、ブロックチェーン、Crypto、メタバース等のWeb3に関連する理解が重要だと考えています。理解しないことには楽しむことができないのでまずその点を促進する必要があります。また、日本は東南アジアとは経済環境も異なるため、日本のカルチャーと可処分時間、所得を考慮するとto より andにシフトしたカルチャライズが適していると考えています。

−−いまYGG Japanでゲーム領域で進められていることを具体的に教えていいただけますでしょうか?

YGG Japanではオープンギルドネットワーク構想を持っており、より多くのギルドが生まれ、育つための協力を行う組織を目指しています。ギルド向けツール開発やメディアの立ち上げ、コミュニティ形成ができるプラットフォーム等さまざまなコンテンツを提供するため準備を進めています。

実現すれば、日本のユーザーが快適にブロックチェーンゲームに触れられ、コミュニティが形成できるようになります。また、日本のIPやゲームをグローバルに導く存在となれるよう、パブリッシャーやIPライセンサーの皆様と手を取り合い、ともに挑戦していきます。

images:iStocks/b14ckminus
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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