送金決済アプリの「Kyash」、Blockらから49億円調達

送金決済アプリの「Kyash」、Blockらから49億円調達

送金・決済アプリ「Kyash」運営のKyash(キャッシュ)が、国内外の機関投資家からシリーズDラウンドで49億円の資金調達を実施したことが3月17日に分かった。

「Kyash」はスマホアプリ上でプリペイド式のバーチャルカード「Kyash Card Virtual」が発行可能なアプリで、日本円の決済や送金機能などを提供している。

今回のラウンドは、JPインベストメント、Block(旧Square)、Greyhound Capital、Altos Ventures、Goodwater Capital、StepStone Group、Yitu Capital、SMBC日興証券、三井住友海上キャピタル、AGキャピタル、ジャフコ グループ、 SMBCベンチャーキャピタル、W venturesが参加した。

なおKyashが今回調達した資金は、人材採用による組織拡充や事業領域の拡大・サービス運用体制の強化に活用していくという。

Kyash代表取締役社長の鷹取真一氏は次のようにコメントしている。

「決済事業のみで持続可能な事業モデルを描くのは困難であった業界にあって、今回の資金調達において資本効率の高い事業を構造したことを評価いただけたことは意義深く、よりお客様に信頼される企業として今後は一層の提携・協業を通じた事業の拡大を図ってまいります。このたび、創業以来ご支援をいただいてきた既存株主様による追加ご出資と、米国を中心に金融領域の変革をリードされているBlock様からの新たなご出資に加え、グローバルな投資家、日本の銀行界を代表する各行様のサポートを得たことは大変嬉しく、よりお客様中心のサービス精神のもとに事業に邁進してまいります」

JPインベストメントマネージングディレクターの馬場太久麿氏は次のようにコメントしている。

「Fintechの1丁目一番地とも言えるチャレンジャーバンクのテーマは、グローバルで進行する不可逆な流れです。Kyashのユーザー・ファースト、モバイル・ファーストの思想及び設計は、伝統的な金融機関をunbundle化し、テクノロジーを用いてrebundle化する中核的なサービスとしての進化が期待され、そのポテンシャルの大きさとKyashの更なる飛躍に心が躍ります」

ジャフコ グループパートナーの藤井淳史氏は次のようにコメントしている。

「Kyashは、新しい金融事業の創造という壮大な構想を信じ歩んできた会社です。これまでの実績をもって新たに強力な投資家を迎えることができました。ジャフコはサービス開始前に最初の出資を行い、今回ラウンドで5度目の出資になります。更なる飛躍と次世代の金融を担う企業となることを信じています。」

ジタルウォレットアプリ「CashApp」を通して、米国でビットコイン取引もサポートするBlockが、新たに株主として参入することが今回の大きなポイントだと考えられる。

今後「Kyash」がBlockと連携して、ビットコインを始めとした暗号資産取引サービスの提供を行う可能性もあるかもしれない。

参考:Kyash
images:iStocks/Tero-Vesalainen・BadBrother
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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