大統領令署名後にビットコイン急騰
ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が、中央銀行デジタル通貨であるデジタルドル発行やその他の暗号資産(仮想通貨)問題の利点とリスクを評価するよう米政府機関に求める大統領令に9日署名した。これを受けビットコイン価格は急騰した。
この大統領令は、米国の金融システムにおける暗号資産の採用を拡大させる可能性があると考えられている。
バイデン大統領が署名した大統領令は、財務省、商務省、その他の主要機関に対して、「貨幣の未来」と「暗号資産が果たす役割」に関する報告書を作成するよう求めるものだ。
「ウクライナ戦争により、制裁体制が整った昨今、不正金融に対抗し、金融の安定と国家安全保障へのリスクを防止するデジタル資産の規制枠組みを整備することが二重に求められている」と法律事務所フィッシャーブロイレス(FisherBroyles)のマネージングパートナーであるマイケル・ピアソン(Michael Pierson)氏は述べている。
ホワイトハウスは昨年、拡大するランサムウェアなどのサイバー犯罪の脅威に対処するため、大統領令を含む暗号資産市場の広範な監視を検討していると発表していた。
日中の取引でビットコインは9.1%上昇の42,280ドルで、2月28日以来最大の上昇率になる。一方でイーサリアムは6.3%上昇の2,740ドルとなっており、これも今月最高の数字になりそうだ。
世界最大の暗号資産関連の取引商品のプロバイダー21Sharesの最高経営責任者兼共同創設者のハニー・ラシュワン(Hany Rashwan)氏は「21Sharesでは、投資家に暗号資産を紹介および公開する最善の方法は、安全で規制されたアプローチであると常に考えてきました」、「本日の出来事は、米国が今後何年にもわたってクリプト(暗号資産関連の総称)のリーダーとしての地位を確立するのに役立つでしょう」と述べている。
昨年末に規制当局の承認を得たビットコイン先物を追跡する米国の上場投資信託(ETF)も価格が上昇した。プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジー・ETF(ProShares Bitcoin Strategy ETF)とヴァルキリー・ビットコイン・ストラテジー・ETF(Valkyrie Bitcoin Strategy ETF)は取引が始まるとそれぞれ9.8%と10.2%急騰した。
また米国のマイニング業者の株価も上昇した。ライオットブロックチェーン(Riot Blockchain)は11.9%、マラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)は14.6%急騰し、また暗号資産取引所コインベースグローバル(Coinbase Global Inc)の株価は9.4%上昇した。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Bitcoin surges after Biden signs executive order on digital assets
Reporting by Kevin Buckland, Tom Westbrook, Medha Singh, and Gertrude Chavez-Dreyfuss; Additional reporting by Alun John and Lisa Pauline Mattackal; Editing by Sam Holmes, Krishna Chandra Eluri, and Jonathan Oatis
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:REUTERS