【取材】ステイクのアスター(ASTR)、米コインベースから資金調達

アスターネットワークがコインベースより資金調達

ステイクテクノロジーズ(Stake Technologies)が開発する、日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network(アスターネットワーク)」が、米ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)より資金調達したことが3月7日分かった。なお金額は非公表だ。

アスターが今年1月に約25億円(2,200万ドル)を調達したラウンドに、コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズ(Coinbase Ventures)がフォローアップの形で参加すると発表されている。

なお、この1月のラウンドはポリチェーン(Polychain)が主導し、アラメダリサーチ(Alameda Research)やアルケミーベンチャーズ(Alchemy Ventures)などの他、本田圭佑氏、ギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏、リチャード・マー(Richard Ma)氏らが参加した。

アスターは昨年6月にフェンブシキャピタル(Fenbushi Capital)らから調達した約11億円を含め、これまでで約36億円(3,300万ドル)の資金を調達している。今回のコインベースからのフォローアップ投資ラウンドにより、「次のエキサイティングな成長フェーズに入る」とした。

アスターネットワークは、異なるブロックチェーンの相互接続(インターオペラビリティ)を目指すプロジェクトであるポルカドット(Polkadot)のパラチェーンとして昨年12月に3番目に接続が完了したブロックチェーンだ。

ポルカドットは中心的な機能を果たすリレーチェーンと、そのリレーチェーンに接続される個別のブロックチェーンであるパラチェーンによって構成されている。

ポルカドットリレーチェーンでは、スマートコントラクトをサポートしていない為、アスターはポルカドットへEVM(イーサリアムバーチャルマシン)やWASM(ウェブアッセンブリ)を提供することで、複数のブロックチェーンをサポートするマルチチェーンスマートコントラクトハブを目指している。

今年1月のメインネットローンチ以降、アスターのTVL(Total Value Locked:預かり資産)は拡大しており、現在はポルカドットエコシステムの総TVLの42.4%にあたる804億円(7億ドル)のTVLを記録している。

またアスター上に構築されたDeFiプラットフォームのアーススワップ(Arthswap)では、ポルカドットエコシステム内のDeFiプロトコルで最大TVLとなる約103億円(9,000万ドル)をロックしているとのことだ。

また近日中にアスター上で、DeFiレンディングプロトコルのスターレイ(Starlay)もローンチする予定となっている。

ASTRの時価総額は約191億円となっており、暗号資産(仮想通貨)取引所のフォビグローバル(Huobi Global)、OKEx(オーケーイーエックス)、Gate.io(ゲート)、クラーケングローバル(Kraken Global)、クーコイン(KuCoin)、バイナンス(Binance)などで取り扱われている(3/7 コインマーケットキャップ調べ)。

なおアスターネットワークの開発をリードするステイクテクノロジーズは、日本人起業家の渡辺創太氏がCEOを務めているシンガポール拠点の企業だ。

ステイクテクノロジーズCEO渡辺創太氏のコメント

「あたらしい経済」編集部はステイクテクノロジーズのCEOである渡辺創太氏より、今回の資金調達について次のコメントを得た。

「業界の最大のリーダーに出資をいただいたことは非常に光栄であり、CoinbaseをAstarエコシステムに迎え入れることによって、Astarのエコシステムは世界トップの取引所(Binance, OKX, Huobi, Crypto.comそしてCoinbase)また、マーケットメーカー(GSR, FTX系統のAlameda)にバックアップされる形となりました。ここからの数ヶ月が一番重要なのでしっかりプロダクトとユーザーに向き合い開発を続けたいと思います」

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/Abscent84・BadBrother

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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