バイナンス、マレーシアの暗号資産取引所「MX Global」へ出資

バイナンス、マレーシア市場に再参入か

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、マレーシアの暗号資産取引所MXグローバル(MX Global)へ出資したことが3月1日分かった。なお出資額は不明。

MXグローバルは、現在マレーシア証券委員会(SC)がライセンス承認している4つの暗号資産取引所のうちの1つだ。

発表によるとMXグローバルは調達した資金を、ブランドの認知度向上、質の高い人材の獲得、マレーシアの規制枠組み内での新機能開発に充てると説明している。

バイナンスの創業者兼CEOであるChangpeng Zhao(CZ)氏は「MX Globalとの提携は、マレーシアと地域全体、またクリプトとブロックチェーンのエコシステム全体において、新たな機会への踏み台になると信じています」と述べている。

バイナンスは昨年8月にマレーシアでの規制準拠の為、同国の法定通貨「マレーシアリンギット(MYR)」との取引ペア、MYRの支払いオプション、P2Pマーチャントアプリケーションを停止していた。

今回のMXグローバルへの出資は、バイナンスのコンプライアンスへの取り組みの一つと思われる。

また昨年7月には、バイナンスがライセンス無しでデジタル資産ビジネスを運営しているとし、タイ証券取引委員会(SEC)は同国にてバイナンスを刑事告訴していた。しかし今年1月にはタイで暗号資産取引所設立に向けて、タイ最大の電力大手ガルフ・エナジー・デベロップメントの子会社ガルフ・イノーバ(Gulf Innova Company)と覚書(MOU)を締結している。

なお昨年12月にはバーレーンにおいて、バーレーン中央銀行から暗号資産サービスプロバイダーとして営業するための基本認可をバイナンスは取得した。そして同月インドネシアでは、新たにデジタル資産取引所を設立する計画を発表している。

今回の発表ではタイの事例のように、具体的にバイナンスがマレーシアで取引所を運営することについては明言されてはいないが、このように昨年から今年にかけて、バイナンスの各国市場参入事例が増えてきている状況だ。

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参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Максим-Ивасюк

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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