イーサリアム財団、日本の5プロジェクトに助成金
イーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、日本の5つのプロジェクトに助成金(グランツ)を付与したことが2月25日に分かった。
今回のグランツは、興味深い社会問題を解決し、公共インフラを改善し、創造的なブロックチェーンユースケースを構築するために活動するチームをサポートすることが目的とのこと。
イーサリアム財団エグゼクティブ・ディレクターの宮口あや氏は「イーサリアムファウンデーションから日本のチームへの助成金を発表しました。今回はインフラ技術だけでなく、金銭的なリターンが得にくいdefi以外の面白いユースケースを作っているチームへ。」とツイートしている。
なお助成金の対象となったのは「zkCREAM」、「Ryodan System AG」、「Startrail」、「w3a.io」、「Famiee」の5つのプロジェクトだ。
「zkCREAM」は日本の選挙システムにおいて、より強固でアクセスしやすく、安全で匿名かつ検証可能な投票を可能にするプロトコルおよびDappsのセットを開発している。なおzkCREAMは昨年7月にもイーサリアム財団より助成金を受け取っている。
「Ryodan System AG」は、スケーラビリティ、プライバシー、コードの複雑さの課題を解決に取り組むプロジェクトだ。プロトコルの研究開発とゼロ知識証明を開発者がより利用しやすくするためのツールの構築など多面的なアプローチを行っているという。プロダクトの1つである「zkCloud」は、開発者がゼロ知識証明を使ってスマートコントラクトやプログラムをより簡単に書けるようにすることを目的としたサービスだ。
「Startrail」はアート×ブロックチェーン事業を展開するスタートバーンが開発する、物理アートの所有権や鑑定履歴を記録するためのイーサリアムベースのインフラ基盤。ERC721を使用して作品やその証明書を表現するほか、NFCチップを物理的な作品に取り付け、ブロックチェーン上の証明書と関連付けることができる。
「w3a.io」は物理デバイスのためのスマートロック認証プロダクトを開発しているプロジェクト。「w3a.io」の研究チームは2020年に奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)との共同実験で、キャンパス内でブロックチェーンを使った自動カーシェアリングのシステムを試行し、このコンセプトを初めて検討したという。
「Famiee」はイーサリアム上でパートナーシップ証明書を発行するプラットフォームを通じて、あらゆるタイプの家族が法律上の夫婦が利用できる特典を利用できるようにすることを目的としたNPO(非営利団体)のプロジェクト。昨年2月25日より同性パートナーのための「パートナーシップ証明書」の発行をスタートしている。
なお昨年2月のイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の「Eth2 Staking Community Grants」では、日本のオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営する株式会社テックテク(techtec)が選出されていた。
参考:イーサリアム財団
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デザイン:一本寿和