ロシア中銀が「デジタルルーブル」テスト開始
ロシアの中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルルーブル」のテストが開始し、送金に成功したことが分かった。
ロシア連邦の中央銀行であるロシア銀行(Bank of Russia)の2月15日の報告によると、「デジタルルーブル」のプラットフォームのプロトタイプは昨年12月に完成していたことが明かされている。また国内の銀行12行がテスト参加への意向を示しているとのことだ。
今回成功したテストでは、12行のうち3行が「デジタルルーブル」のプラットフォームに接続したとのこと。うち2行はそれぞれが提供する銀行アプリを使用して顧客間の「デジタルルーブル」送金が成功したとしている。なお今回のテストに参加していない銀行については、システムが完成次第参加予定とのことだ。
送金までの工程としては、顧客が「デジタルルーブル」のプラットフォーム上にデジタルウォレットを開設し、銀行アプリから顧客口座内のルーブルを「デジタルルーブル」に交換。そのうえで顧客間で送金を実施したと説明されている。
ロシア銀行の今回の報告では、「デジタルルーブル」のプラットフォームは市民・国内企業・国家に新しい機会を提供するとしており、一般家庭では「デジタルルーブル」の送金手数料は無料となる予定で、企業はコスト削減されることで革新的な製品・サービスの開発が可能になるとしている。
「デジタルルーブル」のパイロットプロジェクトの第1弾では、今回行われた「個人間の送金」の他、銀行や家庭でのデジタルウォレットの開設などが行われるとのこと。第2弾については「小売店での支払い」「公共料金の支払い」「スマートコントラクトを利用した販売方法」「金融仲介業者やデジタルプラットフォームとの連携」などが提案されている。
なおこのパイロットプロジェクトの結果をもとに「デジタルルーブル」本格導入のロードマップが作成されるとのことだ。
ロシア銀行の第一副総裁であるオルガ・スコロボガトワ氏は昨年4月、「デジタルルーブル」は2021年末までにデジタルルーブルのインフラを導入し、2022年までにデジタルルーブルのプロトタイプをテストする予定とし、2023年にはローンチが可能であることを明らかにしている。
現状の報告を見る限り、予定通り進捗していることが伺える。
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参考:Bank of Russia
デザイン:一本寿和
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