JPモルガン、メタバース「ディセントラランド」に仮想店舗を開設

JPモルガンが「ディセントラランド」に仮想店舗

米金融グループJPモルガン( J.P. Morgan)が、イーサリアム(Ethereum)基盤のメタバース「ディセントラランド(Decentraland)」にラウンジ(仮想店舗)「Onyx by J.P. Morgan」を開設していたことが分かった。

このラウンジ開設は、JPモルガンのメタバース調査の一環として行われたようだ。「ディセントラランド」にある東京原宿にインスパイアされたエリア「Metajuku」にそのラウンジはある。

JPモルガンのメタバース調査レポートの一部内容について

メタバースに関する調査及びラウンジ開設をしたのは、JPモルガンのブロックチェーン部門「Onyx(オニキス)」だ。

「Onyx」が1月18日に公開していたレポート「Opportunitiesin the metaverse:メタバースでの機会 」には、「ウォルマート(Walmart)、ナイキ(Nike)、ギャップ(Gap)、ベライゾン(Verizon:米携帯端末事業者)、Hulu、PWC、アディダス(Adidas)、アタリ(Atari:米ゲーム企業)などの有名企業をはじめ、さまざまな形態や規模の企業がさまざまな方法でメタバースに参入している」と説明されており、「やがて仮想不動産市場でも、クレジット、住宅ローン、賃貸契約など、物理的な世界と同じようなサービスが始まるだろう」とも記載されている。

またレポートでは「低所得国の労働者は、移住しなくても欧米の企業で仕事を得られるようになるかもしれません。また教育の機会も拡大するでしょう」、「ゲーム、スポーツベッティング、ギャンブルで利用される現金は、メタバースによって暗号資産への移行を促進するでしょう」とも記載されている。

メタバースへの可能性については「メタバースでは、既存のサービスやビジネスモデルも継続して存在しますが、メタバースでは、まったく新しい関わり方が可能になり、それがユニークで新しいサービスやビジネスモデルにつながると期待しています。メタバースのすべてがすべてのビジネスに当てはまるわけではありません。しかし、この機会を利用して探索することには、ほとんどデメリットはありません」と記載されている。

またJPモルガンは「メタバースの構築と拡張が成功するかどうかは、ユーザーが物理的な世界と仮想的な世界をシームレスにつなぐことができる、堅牢で柔軟な金融エコシステムを持つかどうかにかかっています。決済と金融インフラに対する当社のアプローチは、その相互運用性の拡大を可能にします」と説明もしている。

なお「Onyx」のマネージングディレクター兼Liink(Onyxブロックチェーンのソリューション)のグローバル責任者であるクリスティン・モイ(Christine Moy)氏のツイッターによると、このレポートはクライアント向けに作成されたとのことだ。

レポートの最後にはJPモルガンのラウンジ「Onyx by J.P. Morgan」へのリンクが記載されている。

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参考:Opportunitiesin the metaverse
デザイン:一本寿和
images:iStocks/impulse50・pgraphis

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。