英税務当局、脱税の取締りで約2.2億円のNFTなどを押収

英税務当局、脱税の取締りで約2.2億円のNFTなどを押収

イギリスの税務当局が脱税の疑いを取り締まるため、NFTを初めて押収したと2月14日に発表した。

具体的に英国歳入関税庁(HMRC)は、140万ポンド(約2.2億円)を公金から詐取しようとした事件を調査し、3つのNFTを押収した。その他約5,000ポンド(約78万円)相当の暗号資産も押収された。

またこの調査により、250社の偽装企業が関与した付加価値税還付詐欺の疑いで3人が逮捕された。

英歳入関税庁の経済犯罪副部長であるニック・シャープ(Nick Sharp)氏は「まだ公正に評価がされていないNFTの押収は、暗号資産を使ってお金を隠そうと考える人への警告になるでしょう」と伝えている。

さらにシャープ氏は「私たちは常に新しい技術に対応し、犯罪者や脱税者がどのように資産を隠そうとするかに歩調を合わせています」とも伝えている。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。

そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

 (Writing by William Schomberg; Editing by Kate Holton)

翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。