【取材】監査法人KPMGカナダ、ビットコインとイーサ購入。Geminiと連携

監査法人KPMGカナダ、ビットコインとイーサ購入。Geminiと連携

大手監査法人KPMGのカナダ支社KPMG Canadaが、ビットコイン(BTC)とイーサリアムのイーサ(ETH)へ投資したことを2月7日に発表した。

KPMG Canadaはジェミナイ・トラスト・カンパニー(Gemini Trust Company)の投資執行・カストディサービスを通じて投資を行い、バランスシート(B/S)に計上したという。ジェミナイ・トラスト・カンパニーは、暗号資産取引所などを運営するジェミナイ(Gemini)のカストディ子会社。またKPMG Canadaは、ガバナンス委員会を設立し、BTCとETHの財務配分の監督と承認を行ったという。

KPMG Canadaのアドバイザリーサービス担当カナダマネージングパートナーであるベンジー・トーマス(Benjie Thomas)氏は、BTCとETHへの投資に関して次のようにコメントしている。

「暗号資産は成熟しつつある資産クラスです。ヘッジファンドやファミリーオフィスから大手保険会社や年金基金などの投資家は、暗号資産へのエクスポージャーを増やしており、銀行、ファイナンシャルアドバイザー、証券会社などの従来の金融サービスは、暗号資産を含む商品とサービスの提供を模索しています。今回の投資は、暗号資産とブロックチェーン技術の機関投資家による採用が今後も拡大し、資産構成の常連になるという当社の信念を反映したものです」

KPMG Canadaのアドバイザリーパートナー、暗号資産・ブロックチェーンサービス共同リーダーのカリーム・サデック(Kareem Sadek)氏は次のようにコメントしている。

「暗号資産業界は成長・成熟を続けており、金融サービスや機関投資家が考慮する必要があります。また分散型金融(DeFi)、NFT、メタバースなどに関する支援も引き続き強化していく予定です。これらの分野では、今後数年間で大きな成長が期待されます」

(加筆:2月9日11時)

BTCやETHに投資した具体的な理由

「あたらしい経済」編集部は、カリーム・サデック(Kareem Sadek)氏へ取材を行った。

−−BTCやETHに投資する目的は、実際にどのような監査プロセスが必要なのかを確認するためでもあるのでしょうか?

私たち自身がBTCやETHへの投資プロセスを経験したことで、顧客や見込み顧客に暗号資産の財務配分のプロセスを案内できると確信しています。私たちが投資したことによって、その経験や感じた課題をお客様と共有し、暗号資産の世界をナビゲートするお手伝いをすることができます。

私たちは、暗号資産に関連する課題やリスクを目の当たりにし、企業がどのようなことを考慮する必要があるのかを知っています。私たちは、それをお客様に再現したいと思いますし、少なくともお客様が私たちに尋ねてきたときには、私たち自身がそれを経験してきたことを示すことができると思っています。

参考:KPMG
デザイン:一本寿和
images:iStocks/LongQuattro・Lidiia-Moor

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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