テスラが昨年3月のビットコイン売却を報告
米テスラ(Tesla Inc.)が、昨年3月に保有するビットコインの一部を売却していたことが分かった。米SEC(米国証券取引委員会)へ提出された年次報告書によって明らかになった。
報告書には「2021年3月に保有するビットコインの一部を売却したことに関連して、1億2800万ドル(約147億円)の利益を実現しました」との記載がある。
このこととの因果関係は不明だが、昨年5月にテスラのCEOであるイーロン・マスク氏は、同社が保有する残りのビットコインを売却した、あるいは売却する可能性があることをツイッターで示唆し、これを受けてかビットコインの価格が約8%下落した。その後「憶測を明らかにするために、テスラ社はビットコインを売却していません」として弁明をし、一時476万円代まで下落していたビットコイン価格が490万円台まで価格を戻すといった経緯がある。
なお今までマスク氏はテスラが保有するビットコインについて売却することに言及したのは、この経緯以外になかった。
なお報告書には昨年ビットコインに投資したことで、1億100万ドル(約116.5億円)の減損損失を計上したことも報告されてる。
減損損失とは、企業が保有する固定・無形資産の収益性が低下して投資回収可能額が帳簿上の価格を下回ったと判断した場合、その下落分を損失として損益計算書のその他の費用及び損失の項目に反映したものである。
報告書にも記載されているが、米国会計原則上、デジタル資産は耐用年数の確定できない無形資産とみなされており、デジタル資産を取得したあとにその公正価値が帳簿価額を下回った場合に減損を認識する必要がある。これは現在の資産の価値を正しく見るための処理となっている。そのため純粋な損失とはみなされない。
報告書には、2021年第1四半期に総額15億ドルで投資したビットコインは、2021年12月31日時点の市場の公正価格で19.9億ドルになっていると記載されている。つまり、もしテスラが12月31日時点で減損したビットコインを売却していたならば、減損損失はなくなり、利益が発生するはずだ(戻入れが不可能なことが前提)。
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参考:SEC報告書
デザイン:一本寿和
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