ポリゴン(MATIC)が約510億円調達、Web3のAWS目指す

ポリゴン(MATIC)が約510億円調達、Web3のAWS目指す

イーサリアムのスケーリングソリューション開発のポリゴン(Polygon)が、約510億円(4億5000万ドル)の資金調達を行なったことが2月8日に分かった。

この調達はポリゴンのネイティブトークン「MATIC」のプライベートセールによって行われた。ちなみに現在の「MATIC」の希薄化後の時価総額は約2.3兆円となっている。

このラウンドはセコイア・インディア(Sequoia India)が主導し、ソフトバンク・ビジョン ファンド2号(SoftBank Vision Fund 2)、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)、タイガー・グローバル(Tiger Global)、アラメダリサーチ(Alameda Research)、デジタルカレンシーグループ(Digital Currency Group)、ユニオンスクエアベンチャーズ(Union Square Ventures)などが参加した。

今回の資金調達の狙いはポリゴンがイーサリアムにおけるスケーリング競争の優位性を確保するためだという。現在ポリゴンは、Polygon PoS、Polygon Edge、Polygon Availなどのスケーリングソリューションを持っている。最終的にポリゴンはWeb3におけるAWS(Amazon Web Services)のようなポジションを確立したいとのことだ。

また現在、ポリゴン上には7000以上の分散型アプリケーション(dApps)が存在し、1億3000万以上のユニークアドレスと267万人以上の月間アクティブユーザーを抱えているという。

ポリゴン共同創業者のサンディープ・ネイルワル(Sandeep Nailwal)氏は次のようにコメントしている。

「Web3はユーザーが価値を創造し、ネットワークを制御し、報酬を得ることができるというインターネット初期のオープンソースの理念に基づいて構築されています。ポリゴンによってスケールアップしたイーサリアムは、ウェブの進化におけるこの次のステージの基盤となるはずです。技術的革新はWeb2で始まったわけではありませんし、Web2で終わるわけでもありません。だからこそ、前回のイノベーションを支えた企業が、今回のWeb3のビジョンに加わってたことを非常に嬉しく思っています」

セコイアインディアMDのシャイレーシュ・ラカーニ(Shailesh Lakhani)氏は次のようにコメントしている。 「ポリゴンはブロックチェーン上でサービスを構築するためのプラットフォームとして選ばれています。様々なアプリケーションの何千人もの開発者が、イーサリアムのエコシステムのためのスケーリングソリューションとしてポリゴンを選択しています。また、チームは野心的且つアグレッシブで、イノベーションを重視しています。Sequoia Capital Indiaは、この重要な資金調達ラウンドをリードできることを嬉しく思います」

なおポリゴンはプライバシー領域において技術的な投資を進めている。

例えば昨年12月に、ポリゴンはゼロ知識証明開発のスタートアップ「Mir」を約4億ドルで買収した。

そして「Mir」買収発表の際に、サンディープ・ネイルワル氏は2022年の展望について「あたらしい経済」編集部に次のように説明していた。

「zkEVMやEVM互換のZK-Rollupsの複数のバージョンを発売する予定です。これにより、何千ものEthereum Dappsに最高のイーサリアムセキュリティで大規模なスケーリングを提供します」

images:artacet・ChrisGorgio・LongQuattro
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。