ディエム(旧リブラ)が資産売却で閉鎖、シルバーゲートが買収し今年ステーブルコイン発行へ

ディエム(旧リブラ)をシルバーゲートが買収

メタ(旧:Facebook)が2019年に「リブラ(Libra)」として発足したステーブルコインプロジェクト「ディエム(Diem)」が、資産売却によって閉鎖されることが分かった。

プロジェクトを主導するディエム協会(Diem Association)は1月31日、「ディエム決済ネットワーク(Diem PaymentNetwork)」の運営に関連する知的財産およびその他の技術資産を、シルバーゲートキャピタル(SilvergateCapital Corporation)へ売却したことを発表した。

シルバーゲートキャピタルは、カリフォルニア州公認の銀行でありFRB(連邦準備制度)にも加盟するシルバーゲート銀行の運営を行っている。

昨年5月にディエム協会の運営会社ディエム・ネットワークス(Diem Networks)はシルバーゲートと提携をしていた。それによりシルバーゲートはステーブルコイン「Diem USD」の独占的な発行者となることが発表されていた。両社は提携の形をとっていたが、今回シルバーゲートはディエムを買収し、事業を自社のものとした。

発表によると今回の資産売買契約に基づき、シルバーゲートはディエムに対して、クラスA普通株式1,221,217株を発行し、現金で5,000万ドル(約57億円)を支払ったとのこと。1月31日のシルバーゲート株の終値に基づくと、対価の総額は1億8,200万ドル(約209億円)になるという。また買収した資産をシルバーゲートの既存技術に統合するにあたり、シルバーゲートは今年中に約3,000万ドル(約34億円)の追加費用の発生を見込んでいるとのことだ。

シルバーゲートのCEOであるアラン・レーン(AlanLane)氏は「お客様との会話を通じて、私たちは、お客様が障壁なくお金を動かすことをさらに可能にするために、規制された、高い拡張性を持つ米ドル担保のステーブルコインに対するニーズを特定しました。2021年第4四半期の決算説明会で以前述べたように、本日取得した資産と既存の技術によって可能になるステーブルコインを2022年に発売することで、このニーズを満たす意図は変わりません」とリリースにて述べている。

なおこの一方でメタは、Block(旧Square)CEOのジャック・ドーシー氏が2020年9月に設立した業界団体「Crypto Open PatentAlliance:COPA」へ参加したことが報じられている。

同団体は暗号資産に関する基礎的な技術を特許で占有しないことを求めるほか、共同で特許を保有する団体。コインベース(Coinbase)、マイクロストラテジー(Microstrategy)、ユニスワップ(Uniswap)、クラーケン(Kraken)など25社以上の企業が加盟している。

COPAの目的は加盟企業に特許の共有を義務付けることで、特許訴訟の可能性を減らし、ブロックチェーン関連のイノベーションを促進することだ

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参考:シルバーゲートディエム
デザイン:一本寿和
images:iStocks/pgraphis

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。