チリーズの「Socios. com」がアルゼンチンサッカー協会を提訴、バイナンスとの契約で=報道

「Socios.com」がアルゼンチンサッカー協会を提訴

ファントークンプラットフォーム「Socios.com(ソシオスドットコム)」が、アルゼンチンサッカー協会(AFA)を提訴したことが1月28日分かった。

AFAは昨年5月に「Socios.com」運営元のチリーズと提携し、既に公式ファントークンの発行をしているにも関わらず、1月24日に同様の契約を大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と交わした。今回はそれに対する訴訟となる。

米CoinDeskの報道によると、AFAがバイナンスと契約したのは、チリーズとの契約に不履行があったことが原因であると主張しているとのこと。

AFAの主張として、AFAはチリーズに対し再三の通知をしたにもかかわらず、4か月前にチリーズはAFAへの支払いを怠ったとのこと。またアルゼンチンサッカー代表チームのトークンについて十分なプロモーションが行われず価格も低下したとしており、さらにチリーズの代表チームに関するイメージ使用について「いくつかの違反」があったと説明している。

また一方でチリーズは、AFAへの支払いは既に済んでおり債務はないと主張しているという。また契約を破棄する条件としてトークン価格は契約条項に記載されていないとし、またイメージの誤用はなかったと反論をしているとのことだ。

バイナンスおよびAFAは1月24日、アルゼンチンサッカー代表チームのグローバルスポンサー、AFAの公式ファントークン発行、そしてアルゼンチン国内サッカーリーグのネーミングに関する契約合意を発表した。

しかしAFAは昨年5月に同様の契約を「Socios.com(ソシオスドットコム)」運営元のブロックチェーン企業チリーズ(Chiliz)と交わしており、7月にはアルゼンチンのサッカー1部リーグであるプリメーラ・ディビシオン(Primera Division)の名称をトルネオソシオスドットコム(Torneo Socios.com)にリブランド。また10月にはAFAの公式ファントークンが「Socios.com」で発行されており、現在も「Chiliz Exchange」にて取り扱いがある状態だ。

なおチリーズとの契約期間については3年間となっており、現在契約期間中にも関わらずAFAはバイナンスと5年間の契約を締結したようだ。

バイナンスはチリーズ「Socios.com」に遅れ、昨年10月よりファントークン事業に参入した。バイナンスはファントークン発行にあたり、「バイナンスファントークンプラットフォーム(Binance Fan Token Platform)」を公開し、トークン発行にはバイナンスが以前より提供していたIEO(Initial Exchange Offering)プラットフォーム「バイナンスローンチパッド(Binance Launchpad)」の仕組みを利用している。

第1弾には伊セリエA加盟のサッカークラブであるSSラツィオ、第2弾はポルトガルプロサッカー1部リーグ「プリメイラリーガ」加盟のFCポルト、第3弾はブラジルプロサッカーリーグ「ブラジレイロ・セリエA」加盟のサントスFCのファントークンをそれぞれ発行している。

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参考:CoinDesk
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Pict-Rider・Wavebreakmedia

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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