バイナンス、ユーロ送金受付を再開へ。英決済ペイセーフと提携で

バイナンス、ユーロ送金受付を再開へ

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、停止していた単一ユーロ決済圏(Single Euro Payments Area:Sepa)からのユーロ(EUR)の送金受付を再開しはじめたことが分かった。

バイナンスは1月26日、英決済企業ペイセーフ(Paysafe)との提携を発表。これにより同日13:00(世界協定時)より、SEPAの決済ネットワークを利用したユーロ入出金のパイロットプログラムを開始したとのこと。

このプログラムにより、バイナンスが選択した一部ユーザーからユーロ取引が可能になるとのこと。全ユーザーが取引可能になるのは「順次」とのことだ。

またユーザーがユーロ取引を再開するには、バイナンス上で本人確認などの認証をする必要がある。

単一ユーロ決済圏は、ユーロ建ての銀行振込を簡素化するための欧州連合の決済統合イニシアチブ。対象地域全体の決済ネットワークをリンクし、顧客がユーロを国を超えて送金できるようにしている。

バイナンスは昨年7月、ユーザーに対し単一ユーロ決済圏からのユーロの送金受付を一時停止するとした内容のメールを送付していた。

メールには「私たちのコントロールを超えた事象によって、2021年7月7日午前8時(世界協定時)からSEPA銀行送金によるユーロ入金を一時的に停止しています」と記載されていた。

バイナンスはこれまで、日本を含む数か国の規制当局より承認を得ていない営業をしていると警告を受けていた。

また警告を受けたことで、バイナンスは今後の方針を「1.国際的なコンプライアンスチームの拡大、2.すでにあるコンプライアンス・パートナーシップを強固にする、3.現地の規制を遵守するために、オペレーションとビジネスをローカライズする」としていた。

このことから、バイナンスは規制に準拠した動きとして、各国においてデリバティブ取引や対象国の法定通貨決済停止など一部サービスの停止、全ユーザーへのKYC実施などサービス提供に関する改善を行っていた。

また方針転換によるものか昨年12月27日、バイナンスは新たにバーレーンで暗号資産サービスプロバイダーとして営業するための基本承認をバーレーン中央銀行から受けている。また昨年7月に承認の無い営業をしているとして刑事告訴されたいたタイにおいても、同国のIT関連企業ガルフ・イノーバ(Gulf Innova Company)と、タイ国内で暗号資産取引所設立に向けた覚書(MOU)締結を1月18日に行っている。

今回のニュースも含め、このような流れからバイナンスが一部停止していたサービスが今後再開していくことも考えれる。

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参考:バイナンス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Abscent84・liulolo

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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