The Graph、GRTトークン売却で約55億円調達

The Graph、GRTトークン売却で約55億円調達

ブロックチェーンデータのクエリ機能などを提供するグラフ(The Graph)が、約55億円(5,000万ドル)を調達したことが1月22日に分かった。

この調達はグラフ運営のグラフファンデーション(The Graph Foundation)が、グラフが発行するトークン「The Graph(GRT)」を投資家に売却するかたちで実施された。

この資金調達に参加した投資家は、タイガーグローバル(Tiger Global)、レシプロカルベンチャーズ(Reciprocal Ventures)、フィンテックコレクティブ(Fintech Collective)、さらにフェンブシキャピタル(Fenbushi Capital)、ブロックウォールデジタルアセットファンド(Blockwall Digital Assets Fund)である。また調達した資金は主にWeb3発展のための人材採用に活用していくとのことだ。

グラフはWeb3のインデックスとクエリーレイヤーのプロトコルだ。開発者は「サブグラフ(subgraphs)」と呼ばれるオープンなAPIを構築・公開し、アプリケーションは「GraphQL」を使ってクエリを実行することができる。

またグラフは現在、イーサリアム(Ethereum)、アービトラム(Arbitrium)、アバランチ(Avalanche)、セロ(Celo)、ファントム(Fantom)、ムーンビーム(Moonbeam)など22種類のネットワークからのデータのインデックス作成をサポートしているとのことだ。

現在までに31,000以上の「サブグラフ」がホスティングサービスにデプロイされている。なおユニスワップ(Uniswap)、シンセティックス(Synthetix)、ノーシス(Gnosis)、ディセントラランド(Decentraland)などのアプリケーション用に24,000人以上の開発者がサブグラフを構築しているとのことだ。

タイガーグローバル(Tiger Global)のパートナーであるジョン・カーティウス(John Curtius)氏は次のようにコメントしている。

「グラフは、世代を超えたプロトコルになる可能性を秘めています。特に過去1年間の1兆円市場の成長ペースを考えると、ブロックチェーンに保存されるデータが指数関数的に増加することが予想されます。グラフは分散型ウェブの最も重要な柱の1つです」

日本ではブロックチェーンゲーム・NFTサービス開発のクリプトゲームス(CryptoGames)が昨年9月よりグラフを導入している。その目的は、同社が提供するNFTマーケットプレイス「NFTStudio」のUXを大幅に向上させるためとのことだった。

参考:The Graph
images:iStocks/BadBrother・solarseven
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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