米銀行ら発行のステーブルコイン「USDF」、銀行間送金に成功

ステーブルコイン「USDF」、銀行間送金に成功

米国の銀行らがステーブルコイン「USDF」発行に向けて設立した「USDF Consortium」に参加する2銀行が、「USDF」を活用して銀行間送金に成功したことが1月19日に分かった。

「USDF」は銀行発行の米ドルと1:1の価値でペッグされるステーブルコインだ。 コンソーシアムの設立メンバーは、ニューヨーク・コミュニティー銀行(New York Community Bank :NYCB)、NBH銀行(NBH Bank)、ファースト銀行(FirstBank)、スターリング・ナショナル銀行(Sterling National Bank)、シノバス銀行(Synovus Bank)などとなっている。

ちなみにブロックチェーンは、フィギュア・テクノロジーズ(Figure Technologies)が開発するプロヴィナンス・ブロックチェーン(Provenance Blockchain)が活用されている。

今回「USDF」の銀行間送金を成功させたのはNYCBとNBH銀行だ。具体的にはNBH銀行が「USDF」を発行し、New York Community銀行の顧客に送金したという。

この銀行間送金はプロヴィナンス・ブロックチェーン上での銀行間の相互運用性を実証するテストとして実施されたとのことだ。

NBH銀行のCDO(Chief Digital Officer)であるヴァレリー・クレイマー(Valerie Kramer)氏は次のようにコメントしている。

「今回の取引はUSDFの銀行間相互運用性を示すだけでなく、銀行が低コストでリアルタイム決済を行う新しい安全な決済アプリケーションを顧客に提供できることを示すものだと考えています。USDFはブロックチェーン上で米ドル価値のコンプライアンスに基づいた送金を促進し、金融システムの摩擦を取り除き、金融機会へのデジタルアクセスを拡大します」

「USDF」はユースケースとして、デジタルアセットのマーケットプレイス、ファクタリングや請求書による担保、USDFのレンディング、暗号資産担保ローンなどを示している。銀行が発行するステーブルコインが市場に流通すれば、非常に革命的なことだと考えられる。

参考:USDF
iStocks/MARHARYTA-MARKO・Who_I_am
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

イーサリアム研究者ら、EigenLayerのアドバイザー辞任。中立性の懸念を理由に

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)の研究者でありながら、リステーキングプロトコルであるアイゲンレイヤー(EigenLayer)のアイゲン財団(Eigen Foundation)のアドバイザーとなったことで物議を醸していた、ジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏とダンクラッド・ファイスト(Dankrad Feist)氏が、アイゲンレイヤーの顧問を辞任したことをそれぞれのXアカウントにて11月3日に発表した

【11/5話題】メタプラネットがグローバル株式指数BLOCKに採用、香港OSLがコインベスト買収など(音声ニュース)

メタプラネット、グローバル株式指数「コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス」に採用、暗号屋が暗号資産市場のマーケットメイク事業開始、上場後トークンの流動性不足の課題解決で、香港認可の個人向け暗号資産取引所OSL、コインベスト買収で日本市場へ参入へ、「獺祭」の旭酒造、正規品の証明にブロックチェーン活用。SBI「SHIMENAWA」導入で、英年金関連企業カーライト、年金基金のポートフォリオにビットコイン組み込み、独通信事業者ドイツテレコム子会社、余剰エネルギー活用のBTCマイニングをテスト、ステーブルコイン決済BridgeがウォレットAPI提供Triangle買収、Stripeによる大型買収進行中に、UBSアセットマネジメント、イーサリアム上でトークン化マネーマーケットファンド「uMINT」立ち上げ

広告