【取材】同性パートナーシップ証明書のFamiee、NFTチャリティオークション開催へ。

同性パートナーシップ証明書のFamiee、NFTチャリティオークション開催へ

一般社団法人Famieeが、NFTアートのチャリティオークションを1月22日より開催することが分かった。Famieeは、多様な家族形態が当たり前のように認められる社会の実現を推進する社団法人だ。昨年2月に同性パートナーのためのブロックチェーンを活用した「パートナーシップ証明書」の発行をスタートさせている。

今回のNFTアート・チャリティ・オークションの作品提供者はマネックスグループ代表執行役社長CEOの松本大氏。作品はアーティスト山本基氏によって作成された「たゆたう庭 (No.13)」2012年Edition 5/10と、「たゆたう庭 (No.28)」2014年Edition 5/10の2つだ。

この2つの作品がNFT化され、出品される予定だ。またNFTの発行はスタートバーンが技術支援を行う。そしてオークションの売上は全額、Famieeの活動に活用されるとのこと。

作品提供者である松本大氏は次のようにコメントしている。

「私はいつも、価値観は十人十色で、その人が生きていく上の全てであるからこそ、それぞれの価値観が存在できる・尊重されるのは大切だと考えています。子供の頃、私は超ウルトラ問題児(笑)でしたが、それを小学校の先生が受け入れてくれた原体験も大きかったと思います。他者のメガネを通して歪められるのではなく、ありのままの価値観が存在できるようにFamieeが頑張っている姿を見て、『私にできることがあれば応援したい』と思い、このプロジェクトにも参加しました」

アーティスト山本基氏は次のようにコメントしている。

「『自分たちで決める家族のカタチ』という言葉が心に響きました。 妹が亡くなる前も『最期は自分の部屋で』と希望しましたが、当時は制度の壁などがたくさんありました。 また、夫婦別姓を希望していたため、妻とも事実婚の時期が長くありました。しかし、当時、紛争の続いていたイスラエルでの展覧会を行う際、『もしもの時』のために日本の婚姻制度に合わせる必要があり、入籍に至りました。 『自分の大切な人の最期のあり方を自分たちで決められる』という世の中であってほしいと願っています」

あたらしい経済編集部はFamieeの代表者である内山幸樹氏へ取材を行った。

−一般社団法人がNFTアートを活用して、チャリティ・オークションを行うメリットは何でしょうか?

次の3つのメリットがあると考えている。

1.資金調達力の強化 従来も寄付という形の資金調達方法は存在していたが、寄付に対してお返し出来るものがなかったので、純粋にお金を提供していただくだけになってしまい、資金提供者の母数を広げることが難しかった。しかし、NFTチャリティにすることで、お金を提供していただく対価として、NFTアートを提供出来るので、寄付してくれる人の対象を広げることができる。

2.認知の広がりと発信力の強化 我々のプロジェクトを世の中に認知させていただくにあたって、アーティストさんやNFTのブームの力を借りることで、従来であればリーチできなかった、アート業界の人たち、仮想通貨・NFT・ブロックチェーン業界の人たちへ認知を広げられること、また、世の中全般に対しても、アーティストさんの力をお借りすることで発信力が増す。

3.あたらしい技術への知見の獲得 もともとブロックチェーン技術を活用したサービスを提供していたが、NFTアート・チャリティ企画を行うことで、実サービスでは利用していなかったブロックチェーン技術の活用方法を試すことができ、今後の支援者の巻き込み方法やファンコミュニティの構築方法に対しての、新たな知見やアイデアを得ることができた。

参考:Famiee
サムネイル画像のクレジット:たゆたう庭 個展︓“海に還る” ショー・ギャラリー、ソルトレイクシティ 2014 © Motoi Yamamoto

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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