コインベースがFairX買収、米国でデリバティブ取引提供に向け

コインベースがFairX買収

米ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)が、デリバティブ取引所フェアエックス(FairX)を買収することが1月13日分かった。この買収は、コインベースが米国で暗号資産デリバティブ取引を提供するために向けた動きとなる。

フェアエックスは、米商品先物委員会(CFTC)に制定契約市場(DCM)として登録されており、LMX Labsが運営するデリバティブ取引所だ。昨年2021年6月より個人投資家へ向けて商品を提供している。

発表によると買収が完了するのは、第1四半期(1〜3月)以内とのこと。なお買収額については公表されていない。

コインベースは今回の買収について「この買収は、米国のリテール(小売)および機関投資家に暗号デリバティブを提供するための道への重要な足がかりです」と述べている。

今回のように、暗号資産取引所がデリバティブ取引を提供する為に既存の取引所を買収するケースは昨年もあった。

FTX.USは10月にLedgerXの買収完了を発表。LedgerXは「FTX US Derivatives」へと名称を変更した。また12月にはクリプトドットコム(Crypto.com)がノース・アメリカン・デリバティブズ・エクスチェンジ(North American Derivatives Exchange:Nadex)とスモール・エクスチェンジ(Small Exchange)を買収。買収が完了する今年の前半には、米国でデリバティブ取引の提供を開始する予定と発表されている。

コインベースは昨年サービス拡充へ向け、買収を行ってきた。昨年1月にはブロックチェーンインフラ企業のバイソントレイル(Bison Trail)を、5月にはデータ分析プラットフォームのスキュー(skew)を買収。そして8月には暗号資産データ企業ザボ(Zabo)、11月には暗号資産ウォレットの「ブレッドウォレット(Bread Wallet)」を運営するBRDとイスラエルの大手セキュリティ企業アンバウンド・セキュリティ(Unbound Security)を買収している。

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参考:コインベース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/artacet・metamorworks

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。