スイスのシグナム銀行が約100億円を調達、機関投資家向けWeb3プロダクトを開発へ

シグナム銀行が約100億円を調達

スイスのデジタルバンクであるシグナム銀行がシリーズBラウンドで、約100億円(9000万ドル)を調達したことが1月6日に分かった。

このラウンドは香港の資産運用企業であるサン・フン・カイ・アンド・カンパニー(Sun Hung Kai & Co. Limited)が主導をした。

またその他、カナダの投資企業Meta Investments、NFTゲーム企業Animoca Brands、オンラインゲーム企業Wemade、SBIホールディングス、タイのSiam Commercial Bankのデジタル投資部門SCB 10Xなどが参加した。

そして資金調達後のシグナム銀行の企業評価額は、約920億円(8億ドル)に達した。また発表によればシグナム銀行の機関投資家の現在の顧客数は、1000社に近づき、運用資産額は20億ドルを超えつつあるとのことだ。

そして調達した資金は、シグナム銀行の顧客である機関投資家向けのWeb3関連のプロダクト開発を加速させるために使っていくとのことだ。具体的には、新たなDeFiプールやステーキングサービスの拡充など、利回り向上商品の追加やDeFiの新たな資産管理ソリューションおよびDfinity Foundationなど有力なブロックチェーンエコシステムとの新たな商業提携に使っていくようだ。

シグナム銀行の共同創業者兼グループCEOであるマティアス・インバッハ(Mathias Imbach)氏は次のようにコメントしている。

「デジタルアセットエコノミーは、急速にマスアダプションへの道を歩み始めており、投資家は、そのエクスポージャーの加速に伴い、完全に規制されたソリューションを求めるようになるでしょう。今回の資金調達は、当社のグローバル展開における重要なマイルストーンであり、世界中の誰もが完全に信頼してデジタル資産を所有できるようにするという当社の使命でもあります」

サン・フン・カイ・アンド・カンパニーのグループ会長であるリー・センファン(Lee Seng Huang)氏は次のようにコメントしている。

「私たちはファンドマネジメントの提供をデジタル資産に拡大するという戦略的ビジョンを持っています。機関投資家の需要が高まり、この分野の規制が強化される中、完全に規制されたデジタル資産銀行および資産運用会社としての実績を持つシグナム銀行は、デジタル資産に焦点を当てた商品を共同で開発し、アジア、ヨーロッパ、そして世界におけるデジタル資産のソリューションとサービスに対する強い需要に応えるために、私たちにとって理想のパートナーです」

シグナム銀行はこれまでにDfnityのトークン「ICP」の預金サービスやイーサリアム2.0のステーキングサービスの提供を開始している。

またDeFi領域では、AaveやUniswapなどを活用した利回りサービスも提供している。

そしてデジタル証券領域ではピカソの絵画を証券トークン化し1株約60万円で購入可能としている。

参考:シグナム銀行
images:iStocks/BadBrother・kentoh
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。