三井住友銀行が「コントゥール」取扱開始
三井住友銀行がブロックチェーン活用の貿易信用状デジタル化プラットフォーム「コントゥール(Contour)」を、実取引において取り扱い開始したことが12月17日分かった。発表によると同プラットフォームの取り扱いは邦銀としては初となるとのことだ。
「コントゥール」は米R3社開発のエンタープライズ向けブロックチェーン「コルダ(Corda)」を採用し、複雑な書類のやり取りをデジタル化し、シームレスでセキュアな取引を実現するプラットフォームだ。三井住友銀行など世界の大手15銀行がコントゥールのプラットフォームを利用して50ヵ国以上で取引を行っており、貿易金融の主要な形態であるLC(信用状)発行までの時間を90%短縮するなど業務の効率化に貢献しているという。
今回三井住友銀行は同行シンガポール支店と化学品メーカーの株式会社ダイセルの子会社であるダイセルアジア(Daicel Asia Pte. Ltd.)との間で実取引を開始し「コントゥール」を利用したとのこと。
ダイセルアジアの取引先である、ブリティッシュ・アメリカン・ダバコ・バングラディッシュ(British American Tobacco Bangladesh Co. Ltd.) との輸出取引において「コントゥール」上で貿易信用状の発行・通知を実行したという。これにより「紙媒体」でのやりとりが慣例とされていた貿易信用状取引において、関係当事者間でのリアルタイムのデータの共有、貿易信用状発行までの時間短縮・貿易書類の呈示のデジタル化・ブロックチェーン技術の活用による情報セキュリティの高度化等が実現したとのことだ。
「コントゥール」を導入することで貿易信用状発行から通知まで7-14日程度の時間を要していたプロセスが最短で当日中に完結させることが可能となり、業務プロセスの改善に大きく貢献できるようになったとのことだ。
なお三井住友銀行では「コントゥール」の他、同じ「コルダ」をベースにしている貿易金融プラットフォームの「マルコポーロ(Marco Polo)」と、欧州を中心としたコモディティファイナンスに特化した貿易金融プラットフォーム「コムゴ(KOMGO)」のネットワークにも正式に参加をしている。
先日14日にはTISインテックグループのTIS株式会社が「コントゥール」提供元であるシンガポールのコントゥール(Contour Pte. Ltd.)と資本業務提携を行っている。
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参考:三井住友銀行
デザイン:一本寿和
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