Polygon、4億ドルで「Mir」を買収へ
Polygonが、ゼロ知識証明開発のスタートアップ「Mir」を約4億ドルで買収したことが12月10日に分かった。現金とトークン(Polygon/MATIC)を活用して資本取引を行なったようだ。
「Mir」は2020年のゼロ知識証明システムの先駆者であるPLONKとHaloをベースにした、再帰的証明を世界で初めて実装した新進気鋭のスタートアップだ。
発表によれば「Mir」の買収によって、Polygonは世界最速のゼロ知識証明技術を利用できるようになったとのことだ。
ゼロ知識証明は、1回の小さなデータの検証で、多くのイーサリアムトランザクションの検証を1度にできるため、スケーリングソリューションとして期待されているという。
ちなみに発表によれば、現在Polygonのスケーリングソリューションは、3000以上のアプリケーションにホストされているとのこと。また10億以上のトランザクションが処理され、1億以上のユニークユーザーアドレスがあり、資産は50億ドル以上存在し広く普及しているとのことだ。
今後「Mir」は「Polygon Zero」という新しい名称で「Polygon PoS」「Polygon SDK」「 Polygon Nightfall」「 Polygon Hermez」などの既存のソリューションとともに、エコシステムに統合されるとのことだ。
Polygon共同創業者ミハイロ・ビェリッチ(Mihailo Bjelic)氏は発表にて次のようにコメントしている。
「スケーリングやブロックチェーンのインフラに関して、業界はまだ初期段階です。高いスケーラビリティを持つソリューションを構築するためには、パフォーマンスの高い再帰的証明システムが必要不可欠でしたが、存在していませんでした。しかし私たちはイーサリアム上で検証可能な桁違いに高速な再帰的証明システムを導入できる ようになりました。この取り組みは業界全体にとって大きな前進になると考えています」
あたらしい経済編集部はPolygonの共同創業者であるサンディープ・ネイルワル(Sandeep Nailwal)氏に取材を行った。
−「Mir」の買収がPolygonに与える影響は具体的にどのようなものでしょうか?
ゼロ知識証明は、1つの証明で多くのイーサリアムの取引を検証できるため、スケーリングのソリューションとして有望です。 そして私たちは、ゼロ知識証明がブロックチェーンのスケーリングに最も有望な技術であると考えています。
私たちはその考えと計画をゼロ知識証明に関する論文として正式に発表し、この取り組みを支援するために、私たちの予算から10億ドルを拠出しました。 今回の買収により、Polygonは世界最速かつ最も効率的なゼロ知識証明関連のスケーリング技術へのアクセスが可能になります。
−2022年のPolygonの展望について、具体的にお聞かせください。
zkEVMやEVM互換のZK-Rollupsの複数のバージョンを発売する予定です。これにより、何千ものEthereum Dappsに最高のイーサリアムセキュリティで大規模なスケーリングを提供します。
デザイン:一本寿和
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