日本円連動ステーブルコイン発行について規制強化か
法定通貨を裏付けとする暗号資産(仮想通貨)のステーブルコインについて、金融庁が規制をかける方針であることを12月7日に日経新聞が報じた。
ステーブルコインの発行体を銀行と資金移動業者に限り、仲介業者も新たに監督対象とする方針のようだ。これにより利用者が損失を被るリスクを下げるとのこと。
報道によると、金融庁のこの動きは、先行して規制強化の流れが強まっている米国にあわせたものであるとのこと。2022年の通常国会に資金決済法改正案の提出を目指すという。
またステーブルコインの取引・管理を担う仲介業者を監督対象に加えることにより、利用者の本人確認や、犯罪の疑いのある取引の報告など、犯罪収益移転防止法(犯収法)で定められた措置を求めるとしている。
現在日本国内での主なステーブルコインの動きとしては、74の企業・銀行・自治体・団体が参加する「デジタル通貨フォーラム」が、円建てのデジタル通貨「DCJPY(ディーシージェイピーワイ)」の2022年度中の実用化を目指し、今年度中に概念実証(PoC)を開始する予定がある。
また日本円連動の前払式扱いのステーブルコイン「JPYC」が今年1月より発行されており、昨日も松屋銀座の対象売場にて代理購入によるJPYCによる商品購入が可能になるなどの話題もあった。
ステーブルコインは暗号資産取引において重要な役割を持つものだけに、今後の規制の動向には注意が必要だ。
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参考:日経新聞
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