IoTデバイスのセキュリティにブロックチェーン、IBCとIIJ協業

IBCとIIJ協業で「IoT トラストサービス」提供開始

ITシステム性能監視ツールの開発・販売およびコンサルティングを提供するアイビーシー(IBC)と、国内外でクラウドやネットワークなどを提供するIIJグローバルソリューションズが協業し、ブロックチェーン技術を活用した「IoT トラストサービス」の提供開始を11月30日発表した。

このサービスでは、IoTデバイスおよびファームウェアの正当性、安全性を証明し、なりすましや改ざんを防ぐとのことだ。

またこのサービスには、IBC提供のブロックチェーン技術を利用した新しい PKIシステム「kusabi」(クサビ)が活用されているとのこと。なおPKI(Public Key Infrastructure)システムとは、公開鍵暗号方式を利用し、インターネット上で安全に情報をやり取りするために必要な電子認証を行う基盤のこと。

総務省による電気通信事業法に基づく端末機器の技術基準を定める省令改正により、IoT デバイスメーカーは2020年4月以降に販売するIoTデバイス類へのセキュリティ対策が義務付けられている。IBCは、この省令改正に対応し、事故を未然に防ぐためには、デバイス個体やファームウェアの正当性を製造者と使用者が双方で証明・検証・管理できる仕組みの検討が必要であると説明をしている。

発表によるとこのサービスは、IoT 分野の中でも、特にサイバー攻撃が大きな社会的影響をおよぼすと想定される「車載デバイスのセキュリティ対策」、「製造メーカで使用するデバイスが創出するIoT データの正当性証明」、「交通施設、電力施設などのコントロール対象デバイスの正当性証明」、「将来的なホーム IoT 家電の正当性証明」で適用を見込んでいるとのことだ。

「IoT トラストサービス」ではデバイス個体、ファームウェアの認証を行う「セキュリティ機能」と、デバイス・ファームウェア管理、自動ファームウェア更新(OTA)を行う「リソース管理機能」が提供されるとのこと。

またオプションでOT(機器を管理する制御・運用技術)環境の構築サポートも行うという。

なおこのサービスの販売はIIJ グローバルが行うとのこと。提供価格については、IoTデバイス数に応じた個別見積もりとのことで、サービス申し込みにあたり1か月60万円(税抜)のPoCプランの利用が前提となるとのことだ。

なお、あたらしい経済編集部は「IoT トラストサービス」で用いられている「kusabi」に採用されているブロックチェーン基盤についてIBC担当者へ聞いたことろ、エンタープライズ向けブロックチェーン「ハイパーレジャーファブリック(Hyperledger Fabric)」が採用されていると確認が取れた。

なお担当者によると現状のユースケースでは「ハイパーレジャーファブリック」のみとなっているが、「kusabi」ではその他エンタープライズ向けブロックチェーン利用も可能であるとのことだ。

参考:IBC
デザイン:一本寿和
images:iStocks/metamorworks・sumkinna

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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