暗号資産決済プロバイダーMoonPayが約630億円調達、設立2年半で

MoonPayが設立2年半で約630億円調達

暗号資産決済プロバイダーのムーンペイ(MoonPay)が、シリーズAで約630億円(5億5500万ドル)資金調達を実施したことが11月23日に分かった。ムーンペイの企業評価額は約4,000億円(34億ドル)となった。

ちなみにムーンペイは設立2年半の企業。2019年の創業以来ムーンペイは20億ドル以上の取引を処理、700万人以上のユーザーの顧客基盤を構築、世界160カ国で250社以上のパートナーを確保してきたとのことだ。

このシリーズAラウンドは、Tiger Global ManagementとCootueが主導し、Blossom Capital、Thrive Capital、Paradigm、NEAが参加した。調達した資金はプロダクトや事業の成長を継続、グローバル展開、ワールドクラスのチームを拡大することに活用していくとのことだ。

ムーンペイが提供する決済インフラは法定通貨を暗号資産に変換し、暗号資産市場へのシンプルなエントリーポイントを提供している。Bitcoin.com(MoonPayとの統合により、わずか3カ月で収益を500%以上拡大した)などの大手企業でその決済インフラが使用されていると発表されている。

決済インフラには顧客認証、支払い処理、暗号資産の流動性提供、詐欺防止などの機能も備わっているとのことだ。またNFTマーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)でも採用されている。

ムーンペイの共同創業者兼CEOのイヴァン・ソト・ライト(Ivan Soto-Wright)氏は、発表にて次のようにコメントしている。

「当社は、企業が魔法のようなプロダクト体験で新規ユーザーを獲得するためのツールを提供することで、暗号資産経済へのアクセスを民主化することを目指しています。当社は、今後10年以上にわたり、何十億人もの人々が何兆ドルものデジタル価値にアクセスできるようにすることを使命としています」

Coatueのマネージングパートナーであるクリス・フレドリックソン(Kris Fredrickson)氏は発表にて次のようにコメントしている。

「当社は、暗号資産が生み出す機会に期待していますが、マスアダプションに向けた課題の1つは、ユーザーが最新のインターネットプロダクトに期待するようになったのと同じシームレスな体験を提供することです。ムーンペイは、そのプロダクト、インフラ、実行力に感銘を受けました。今日の暗号資産経済は、インターネットが同様の発展段階にあったときよりも急速に成長しており、ムーンペイは暗号資産ネイティブのイノベーターと伝統的な金融関係者にサービスを提供するのに適した立場にあると考えています」

参考:MoonPay
デザイン:一本寿和
images:iStocks/BadBrother・artacet・koyu

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。