音楽NFTマーケットプレイス「Royal」、チェインスモーカーズやa16zらから約63億円調達

「Royal」、チェインスモーカーズやa16zらから約63億円調達

音楽NFTマーケットプレイス、プラットフォームを提供するロイヤル(Royal)が、シリーズAラウンドで約63億円(5500万ドル)の資金調達を行なったことが11月22日に分かった。

ロイヤルは今年の夏にDJ 3LAUの名で知られるジャスティン・ブラウ(Justin Blau)氏とJD Ross氏が共同で創業した企業だ。

ロイヤルはアーティストがNFTを作成・販売することを支援するだけではなく、ファンがアーティストの作品(NFT)に投資をして、その対価としてロイヤリティを受け取れる仕組みとなっている。

ちなみに1つ1つの作品に契約書が添付されていることがプラットフォーム上で確認することができる。

今回のシリーズAラウンドはa16zが主導した。またThe Chainsmokers、Nas、Logic、Stefflon Don、Kygo、Joyner Lucas、Disclosureなどの世界的なアーティストを投資家として迎え、CAAとNEAのConnect Ventures、Crush Music、Coinbase Ventures、Founders Fund、Paradigmからの追加投資も得たとのことだ。

今回のシリーズAは、8月に発表したシードラウンドの1,600万ドルに続くものだ。発表によれば、有名アーティストから新進気鋭のアーティストまで、何千ものアーティストが提携を希望していることから、ロイヤルは今回の資金をエコシステムの成長に充てる予定とのことだ。

ロイヤルは8月にサービスから現在、その登録者は12万人以上となっているという。

10月にロイヤルで、3LAUが最新シングル「Worst Case」の50%のストリーミング所有権を表す333個のNFTを配布した。そして最初の2週間で、そのNFTは600万ドル以上の価値に達した。さらにそのNFTはセカンダリ市場でも取引が行われたとのことだ。また今後、NFTのライブ販売に関する発表も数週間以内に行われるとのことだ。

The Chainsmokersは、共同声明の中で次のようにコメントしている。

「インターネットが音楽の聴き方を変えたのと同じように、ブロックチェーン技術は音楽の所有権を変える能力があると信じています。Web3の黎明期に、音楽の収集と共有の方法を近代化するロイヤルのモデルは、ミュージシャンであり投資家である我々にとって完璧に理にかなっており、参加せざるを得ませんでした」

a16zのゼネラルパートナーであるキャサリン・ハウン氏は、発表にて次のようにコメントしている。

「ロイヤルチームは、web3の理念を、アーティストとファンに力を与える方法で音楽業界を変革するという大胆なビジョンを持っています。音楽は、NFTにとって最もエキサイティングなマスアダプションの方法の一つです。

3LAUの成功したアーティストとしての直接的な経験と、JD Bossのスタートアップ運営者としての卓越した実績は、音楽の権利と所有権にブロックチェーン技術を適用するという複雑な事業に取り組むための理想的なペアです」

参考:ロイヤル
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Aleksei_Derin・artacet・BadBrother

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。