ボーイングら、ブロックチェーン活用の飛行データ記録システムを開発へ

ボーイングら、ブロックチェーン活用の飛行データ記録システムを開発へ

トラストフライト(TrustFlight)、ボーイング(Boeing)、レースロック(RaceRocks)およびブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)が、ブロックチェーン技術を活用したデジタル飛行データ記録システム(Digital Aviatiion Record System:DARS)構築プロジェクトを11月15日に発表した。

トラストフライトは物流業回のオペレーションシステムを開発する企業で、レースロックは航空宇宙・防衛分野におけるテクノロジーを活用データ分析を行なっている企業だ。

このシステムでは記録プロセスの効率性を大幅に向上させ、年間35億ドルの節約につながる可能性があると発表されている。

ブロックチェーン技術や専門知識に関しては、ブリティッシュ・コロンビア大学が提供するとのことだ。

このプロジェクトの長期的な目標は、サプライチェーン全体のデータをつなぐグローバルなウェブベースの部品・耐空性記録プラットフォームを世界で初めて構築することのようだ。

計画されているデジタル飛行データ記録装置プラットフォームは、既存の整備やMRO(Maintenance Repair and Operations)システムプロバイダーと緊密に連携していく予定とのこと。

まず提供されるサービスはデジタルなエンジンログで、2022年初頭に提供開始予定とのことだ。

トラストフライトのCEOであるカール・スティーブズ(Karl Steeves)氏は次のようにコメントしている。

「航空機のメンテナンスを管理・記録するシステムの多くは、紙ベースのものかオペレーター固有のソフトウェアソリューションであり、相互に通信できないことが多く、データの入力や転送は手作業で行われています。

DARSのような統合デジタルプラットフォームを導入することで、航空会社のメンテナンスの生産性と効率を最大25%向上させ、年間35億ドルのコスト削減が可能になると結論づけました」

ボーイング・カナダ・オペレーションズのプレジデントであるチャールズ・ダフ・サリバン(Charles S. “Duff” Sullivan)氏は、発表で次のようにコメントしている。

「手動の紙ベースの手順を正確なデジタル記録に置き換えることで、航空業界の変革を加速することができます。ボーイング社全体でデジタルファーストのソリューションを追求していく中で、DARSのような革新的な技術は、航空会社やオペレーターのコスト削減と効率的な運用を支援します」

またブリティッシュ・コロンビア大学のソーダー・ビジネススクールのオペレーション&ロジスティクス教授ハリッシュ・クリシュナン氏は次のようにコメントしている。

「サプライチェーンマネジメント、アナリティクス、ブロックチェーンの研究知識と人材をDARSプロジェクトに貢献できることを嬉しく思います。

航空業界はオペレーションズ・リサーチの技術を早くから採用しており、メンテナンスのサプライチェーンにおける非効率性を解消するために新しい技術を適用することに焦点を当てたこのプロジェクトは、私たちの研究者や学生が学習を応用するための貴重な新しい機会を提供します」

参考:TrustFlight
images:istocks/antoniokhr
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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