次期ニューヨーク市長、ビットコインで給与受け取りを宣言
ニューヨーク市長に選出されたエリック・アダムス(Eric Adams)氏が、最初の3回分の給料をビットコインで受け取ると述べ、来年1月の市長就任後にニューヨーク市を「暗号資産産業の中心地」にする意向を示した。
「市長になったら、最初の給料3回分をビットコインで受け取ります」とアダムス氏はツイート。さらに「ニューヨークは、暗号資産産業やその他の急成長している革新的な産業の中心地になるでしょう! 楽しみにしていてくださいね!」ともツイートした。
次期ニューヨーク市長のツイートは、マイアミ市長のフランシス・スアレス(Francis Suarez)氏が「次回の給料はビットコインで受け取る」とツイートしたことに反応したものだろう。
火曜日に再選を果たしたスアレス氏は、マイアミを暗号資産のイノベーションの拠点にすることを目標に掲げており、暗号資産の十分な擁護者となっている。
民主党のアダムス氏は、犯罪防止NPO団体「ガーディアン・エンジェルス(Guardian Angels)」の創設者である共和党のカーティス・スリワ(Curtis Sliwa)氏を破り、1月に米国で最も人口の多い都市で、2人目の黒人市長に就任する予定。
FXブローカーのオアンダム(Oandam)のシニアマーケットアナリストであるエドワード・モヤ(Edward Moya)氏は、アダムス氏の発表について、「ビットコインが幅広い層の関心を集めていることを示しており、ニューヨーク市長も含めることができるようになった」と述べた。
さらにモヤ氏は「しかし結局のところ、エリック・アダムスは、クリプトバース(Cryptoverse)への参加を迷っている人たちを揺さぶるほどの影響力を持った人物ではないでしょう」と付け加えた。
アダムス氏がニューヨークとマイアミ市間の暗号資産競争の見通しを立てたのは、これが初めてではない。
6月に市長選の民主党候補に当選した後、勝利演説を行い、ニューヨーク市が 「ビットコインの中心地、すべてのテクノロジーの中心地になります。その点ではマイアミを敗北させます」と宣言していた。
「CityCoins」は8月に「MiamiCoin」という暗号資産を発表した。「CityCoins」は、消費者のコンピュータで「MiamiCoin」が作られたり、「マイニング」されたりすると、その30%をマイアミ市に送金する仕組みとなっている。
マイアミ市はその入金を受け入れており、9月の時点で、このプログラムはマイアミに710万ドルの利益をもたらしたと、ワシントンポスト紙は報じている。
ニューヨークを暗号資産の中心地にしようとする取り組みは、最近、未登録の暗号資産会社の取り締まりを開始したニューヨーク州司法長官レティシア・ジェームズ(Letitia James)の監視を受ける可能性がある。
ジェームズ氏は先週、ニューヨーク州知事への立候補を表明した。
なおビットコイン価格は、木曜日の午後の時点で61,260ドル前後で取引されており、この日は3%の下落となった。
Reporting by Brendan O’Brien in Chicago and Michelle Price in Washington; Editing by Jonathan Oatis, Andrea Ricci and Dan Grebler
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。