DCGが約797億円相当の株式売却、ソフトバンクやアルファベットへ

デジタルカレンシーグループが約797億円の株式売却

米暗号資産(仮想通貨)系ベンチャーキャピタルであるデジタル・カレンシー・グループ(DCG)が7億ドル(約797億円)に相当する株式を売却したことが11月1日分かった。評価額は100億ドル(約1.1兆円)で、株式購入を主導したのはソフトバンク・ビジョンファンド2(Softbank Vision Fund 2)およびラテンアメリカファンド(Latin America Fund)だ。

ウォールストリートジャーナルの報道によると、今回DCGが株式を売却したのは資金調達が目的ではなく、初期投資家による利益確保の機会とのこと。調達資金は全て株主に支払われたという。なお保有する全株式を売却した株主はいなかったとのことだ。またDCGの40%程の株式を所有するCEOのバリー・シルバート(Barry Silbert)氏は今回のラウンドで株式売却は行わなかったとのことだ。

なお今回の株式購入には、GIC、リビットキャピタル(Ribbit Capital)の他、Googleの親会社アルファベット(Alphabet)の投資部門であるキャピタルG(CapitalG)も参加したとのことだ。

デジタル・カレンシー・グループ(DCG)は2015年に設立された暗号資産系のベンチャーキャピタルだ。現在175社以上のブロックチェーン関連企業の支援を行っており、子会社には暗号資産取引所のジェネシス(Genesis)、暗号資産運用会社のグレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)、ブロックチェーンメディアのコインデスク(CoinDesk)などがある。

またソフトバンクのブロックチェーン関連企業への投資はここ半年多く報道されている。今年7月にはNFTマーケットプレイスのオープンシー(Opensea)と暗号資産デリバティブ取引所FTXへ、9月にはNFTサッカーゲームを提供するソーレア(Sorare)へ、また10月には暗号資産マネロン対策ツール提供のエリプティック(Elliptic)とNFT企業キャンディ・デジタル(Candy Digital)へと出資を行っている。

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参考:WSJ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/BadBrother・SergiyMolchenko

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。