【取材】りそな、富士通、KADOKAWAが「ところざわサクラタウン」で電子通貨決済の実証実験。「ケロロ軍曹」などのデザインで

りそな、富士通、KADOKAWAが電子通貨決済の実証実験開始。埼玉「ところざわサクラタウン」で

埼玉りそな銀行、富士通、KADOKAWAの3社が、埼玉県所沢市にある大型文化複合施設「ところざわサクラタウン」にて電子通貨決済の実証実験を開始したことが11月1日分かった。キャラクターイラストを使った電子コインの発行は銀行初となるようだ。

この実証実験は「ケロロ軍曹」などのキャラクターイラストをデザインした電子コイン「サクラタウンコイン」を用いて、2022年4月10日まで実施する予定。デザイン性のある電子コインが利用者・取扱店においてどのように評価されるのか、顧客満足度やエンターテインメント性、地域振興策としての効果のほか、システムの安全性を検証するとのこと。

またコインのデザインも順次追加することで、実証実験期間中においても都度更新や改修を通じて、ユーザーの利便性、魅力向上を目指すという。

さらにこの「サクラタウンコイン」には他の電子マネーにはない「おつり」の概念があるとのこと。おつりでどのキャラクターのコインがもらえるのかというのも楽しみの一つとなっているようだ。

「サクラタウンコイン」は「ところざわサクラタウン」内の書店「ダ・ヴィンチストア」にて購入可能となっている。現時点では同店舗の買い物の支払いに利用できるとのことで、今後は取り扱いを希望する敷地内の他施設や周辺施設へ順次拡大する予定とのこと。来年4月10日の実証実験終了後に関しては、4月30日まで個人間で授受を行えるデザインコインとしての楽しみ方を提供する予定とのことだ。

なお各社役割としては、りそなが電子コインの発行者として利用者から電子コインを受け取った加盟店に対して売上金の支払いを行い、富士通がスキームを提供。KADOKAWAは運営する「ところざわサクラタウン」と「ケロロ軍曹」の版権を提供している。なお同スキームにおけるシステムとキャッシュレス機能については富士通グループのDXビジネス専門会社Ridgelinezが提供するとのこと。

実証実験終了後も引き続き、埼玉りそな銀行とKADOKAWAは、「ところざわサクラタウン」の集客や地域振興策を検討するとしている。また埼玉りそな銀行と富士通においては、今回のスキームの県内他地域での展開や地域振興券および商品券電子化への応用等について検討するとのことだ。

あたらしい経済編集部が富士通株式会社の広報IR室に確認をとったところ、採用したブロックチェーン基盤はプライベート型のイーサリアムとのことで、今回のシステムはコレクション性があり広告掲載可能なブロックチェーン技術として特許出願中とのことだった。

またシステムの運用方法についてはユーザーがブラウザから専用サイトにアクセスする形となっており、コインの購入と利用にはユーザーが店舗にてQRコードを読み込むことで対応しているとのことだった。サイトへのアクセスについては現地でサイトにアクセスできるQRコードを添付したチラシを配布しているとのこと。またコインの購入は現金での対応のみとなっており、1,000円単位50,000円まで保有が可能とのことだ。

さらに現在販売しているコインのキャラクターは「ケロロ軍曹」以外にも埼玉県マスコットの「コバトン」と「さいたまっち」、所沢市イメージマスコットの「トコろん」、りそなのコミュニケーションキャラクターの「りそにゃ」があるとのこと。各キャラクターには、日本円と同じ通貨単位(1、5、10、50、100、1,000、2,000、5,000、10,000円)にあたる9種類が用意されているとのことだ。

なおこのシステムは本日11月1日12:00より実証実験が開始しているとのことだった。

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参考:埼玉りそな銀行
デザイン:一本寿和
images:iStocks/metamorworks・Who_I_am

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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