マスターカードとバックト、銀行や企業に暗号資産サービス導入の「CaaS(Crypto-as-a-Service)」提供へ

マスターカードとバックト、銀行や企業に暗号資産サービス導入の「CaaS」提供へ

マスターカード(Mastercard)が、バックト(Bakkt)と提携し、銀行や加盟企業向けに、暗号資産関連サービスを導入できるソリューション(CaaS:Crypto-as-a-Service)を提供していくことが10月25日に発表された。

バックトは米インターコンチネンタル取引所(ICE)の子会社であるデジタル資産サービス企業で、今月18日にティッカーシンボル「BKKT」でニューヨーク証券取引所に上場したばかりだ。

今回両社が提供するソリューションでは、マスターカードのパートナーである銀行、加盟店、フィンテック企業にむけ、暗号資産の売買、保有、保管、暗号資産クレジットカードやデビットカードの作成などが提供されるとのこと。

またマスターカードはバックトのロイヤルティソリューションに暗号資産ソリューションを統合することで、パートナー企業が暗号資産を報酬として提供し、ロイヤルティポイントと他の暗号資産との間に互換性を持たせることが可能になることも発表した。

これにより、消費者は従来のロイヤルティポイントの代わりに暗号資産で報酬を獲得・使用することができ、保有する暗号資産をシームレスに買い物の支払いに充てることができるようになるとのことだ。

マスターカードのデジタル・パートナーシップ担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるシェリー・ヘイモンド(Sherri Haymond)氏は発表にて次のようにコメントしている。

「マスターカードは、より多くの選択肢、価値、インパクトを日々提供する幅広い決済ソリューションを提供することを約束します。

バックトと協力し、当社のイノベーションへの原則的なアプローチに基づいて、パートナーがデジタル資産の選択肢をダイナミックに提供できるようにするだけでなく、差別化された適切な消費者体験を提供していきます」

バックトのLoyalty Rewards & Payments部門のEVPであるナンシー・ゴードン(Nancy Gordon)氏は次のようにコメントしている。

「マスターカードとの提携により、何百万人もの消費者に暗号資産のロイヤルティサービスを提供できることを非常に嬉しく思います。

ブランドやマーチャントが若年層の消費者やその取引嗜好に訴求しようとする中、これらの新しいサービスは、暗号資産、支払い、リワードの柔軟性に対する需要の高まりを満たすユニークな機会となります」

またバックトはマスターカードとの提携発表の同日に、米フィンテック企業ファイサーブ(Fiserv)との提携も発表した。そしてファイサーブの店舗向け決済ソリューションにとバックトのロイヤリティソリューションを統合するとのこと。

両社のパートナー企業は企業や消費者への支払い、ロイヤルティプログラム提供、商取引のための新しいオプションを追求することが可能になるという。

具体的にはすべての暗号資産がバックトのデジタルウォレットを通じてアクセス可能になるとのことだ。

また今月バックトはグーグルとの提携も発表し、バックトのユーザーはVisaデビットカードの「バックトカード(Bakkt Card)」をグーグルペイ(Google Pay)に追加することができるようになっている。

参考:マスターカード
デザイン:一本寿和
images:iStocks/jbk_photography

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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