OTBグループがLVMHのオーラブロックチェーンコンソーシアムに参加
LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が主導するブロックチェーンコンソーシアム「Aura(オーラ)」に、イタリアのOTBグループが新たに参加したことが10月15日分かった。
OTBグループはDiesel(ディーゼル)、Maison Margiela(メゾン マルジェラ)、Marni(マルニ)、Viktor&Rolf(ヴィクター&ロルフ)、Amiri(アミリ)、Staff International(スタッフ インターナショナル)、Brave Kid(ブレイブ キッド)などといったファッションブランドの親会社だ。今年3月にはJIL SANDER(ジル サンダー)を買収している。
「Aura」は、LVMHが同社傘下であるルイヴィトン、クリスチャンディオールなどの高級ブランドの製品の履歴情報や真贋の検証を消費者が可能にすることを目的としたコンソーシアムだ。マイクロソフト(Microsoft)、コンセンシス(ConsenSys)の協力のもと開発されたトレーサビリティプラットフォームには、エンタープライズ向けブロックチェーン基盤「Quorum(クオーラム)」が採用されている。
「AURA」プラットフォームによって消費者は材料の原産地から販売時点、中古市場に至るまでの製品の情報を追跡出来るようになっており、その商品が正規品であることが確認できる。また製品のお手入れ方法の確認、保証サービスの表示、アフターセールスについても受けられる仕組みもある。なおこれらの情報はブランド公式アプリを使用することで、製品に関する詳細を記載した証明書を入手できる仕組みとなっている。
発表では、独自のシステムを開発するための社内リソースを持たずにAuraへの参加を希望するブランド向けのSaaSソリューション「Aura Light」のリリースが予定されている事、「AURA」によるラグジュアリーブランド向けNFTソリューションの開発が進んでいる事が明かされている。
この「Aura」にはプラダ、リシュモングループのカルティエが今年4月に参加をしている。なお今回のOTBグループ含め、競合他社である企業同士が手を結ぶことができたのは、ブロックチェーンでプラットフォームに参加している企業が開示したくない情報を秘匿しつつ、必要な情報のみ共有できるからではないかと考えられる。
このようなコンソーシアムによって情報の取り扱いが実現できるのは、ブロックチェーンの魅力の一つだ。
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参考:AURA
デザイン:一本寿和
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