ラオス中銀と日本のソラミツ、デジタル通貨開発に向け協業
ラオス中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発に向け、日本のソラミツと協業していくことが10月4日に分かった。
ソラミツは昨年10月に発行されたカンボジアのCBDC「バコン」を開発した実績を持つ。 発表によれば、ソラミツは開発途上国への国際協力を行う独立行政法人国際協力機構(JICA)の民間連携事業に採択され、ラオス中央銀行との協業が決まったようだ。
なおラオスのCBDC発行可能性などの調査に関する覚書(MOU)は、JICAとラオス中央銀行の間で締結されているとのこと。
また「バコン」に関して、カンボジア国立銀行によると2021年8月時点において、ホールセール決済は590万人の利用者となり、開始から10ヶ月という短期間で国民(1670万人)の約3分の1に普及した事になったとのことだ。
ソラミツはカンボジアの農村部など銀行口座を持たない国民に対しても、すでに20万人以上がオンラインでCBDC口座を開設、金融包摂に貢献してきたとしている。
ソラミツ宮沢和正氏へ取材
「あたらしい経済」編集部はソラミツ代表取締役社長の宮沢和正氏へ取材を行った。
−カンボジア「バコン」での経験を、具体的にどのようにラオスで活かしていこうと考えていますか?
バコンは、ホールセール(銀行間決済)では、間接的に590万人(国民の1/3)が使用、リテール決済では20万人以上が利用している状況です。
そしてラオス中銀は既にCBDC検討チームを結成しており、バコンのメリットや課題を分析し、ラオスの金融システムの課題を調査して同様のシステムを展開可能かを検討していきます。
−日本企業がCBDC開発に関わる意義を、率直に教えてください。
新興国は予算が不足しており、日本国がODAなどで支援する事、日本の最先端の技術を活用することに、大きな意義を感じています。日本国としても金融IT分野におけるインフラ輸出がこれからの重要施策であると認めています。
参考:ソラミツ
images:istocks/Enrique-Ramos-Lopez・Ninja-Studio
デザイン:一本寿和