【取材】TikTokがNFT参入、L2スケーリングソリューション「Immutable X」活用

TikTokがNFT参入

TikTokがNFTコレクション「TikTok Top Moments」を10月1日に発表した。TikTokコミュニティのクリエイターらと、NFTクリエイターらがこのNFTコレクションをコラボ制作するとのこと。

このNFTを通してTikTokは、「成長するクリエイターエコノミーの中でクリエイターの目標達成を支援する」というTikTokのコミットメントに基づき、クリエイターにはコンテンツに対する評価と報酬を、ファンにはTikTok上で文化的に重要な瞬間(モーメント)を所有する方法を提供していく狙いがあると発表されている。

なおこれらのNFTはイーサリアム上に発行されるが、そこにレイヤー2のスケーリングソリューション「Immutable X」が活用されるとのこと。いずれのNFTもガス代ゼロで鋳造(ミント)・取引できるようになるとのことだ。

「TikTok Top Moments」では、Lil Nas X、Rudy Willingham、Bella Poarch、Curtis Roach、Brittany Broski、FNMeka、Jess Marciante、Gary VaynerchukなどのTikTokクリエイターが、NFTクリエイターのx0r、COIN ARTIST、RTFKT、Grimesらとコラボ制作した6つのNFTが公開される予定だ。

現時点で特設サイトでNFTの詳細はまだ明らかになっていなが、NFTに関する収益の大部分は、関係するクリエイターやNFTアーティストに直接還元されるとのことだ。

TikTokマーケティング部門グローバルヘッドの ニック・トラン氏は今回の発表で次のようにコメントしている。

「TikTokでの創作活動は、文化を促進し、プラットフォームを超えてトレンドを生み出すことに繋がります。クリエイターエコノミーが成長を続ける中、私たちはクリエイターをサポートする新しい方法を常に模索しています。

今回、ファンの皆様は、お気に入りのクリエイターを支援しながら、インターネットの発展に貢献したTikTokの瞬間を自分のものにすることができます。私たちのコミュニティとNFTのコミュニティが、インターネットで最も愛されている文化的な出来事にどのように関わっていくのか、とても楽しみです」

あたらしい経済編集部はimmutable社創業者のロビー・ファーガソン(Robbie Ferguson)へ取材した。

ーNFTの現状をどのように捉えていますでしょうか?

ゲーム内アイテム、アート作品、金融資産、デジタル形式の権利など、ユニークで取引可能なものは、いずれパブリック・ブロックチェーン上でトークン化されると考えています。NFTは現在、アートやコレクターズアイテムなどの少量で高価値の資産に焦点を当てています。

これらのNFTは本当に素晴らしく、デジタルアートや文化を再定義し、デジタル資産という概念がクリエイターにこれまでよりもはるかに優れた直接的な切り口を与えることを可能にしています。

しかし今後NFTはそれ以上のものになると思われます。大規模なユーザードリブンなコンテンツのNFT化、ゲームのNFT化、限定コンテンツへのアクセス権などユーティリティあるもののNFT化、さらには金融資産としてのNFT化が始まっているのです。

ーTikTokがNFTに関わる意義は何でしょうか?

そのTikTokがNFTに関わる意義はとても大きいです。TikTokは、10億人のアクティブユーザーを持つ世界有数のソーシャルエンターテイメントプラットフォームです。彼らがNFTに参入することは、ほんとうに意義深いことです。最も重要なのは、彼らがImmutable X / Ethereum L2を選択することで、非中央集権の重要性を示したことです。

世界最大のユーザードリブンコンテンツのコレクション(TikTok)を所有可能な瞬間に変える潜在的な可能性は非常に大きいです。それはおそらく、インターネットの誕生以来、プラットフォームの収益化において最大の画期的な変化となるでしょう。広告やファンの後援から、作成されたコンテンツのデジタル所有権への移行です。

NFTは消費者向けのハイテク企業であれば、戦略的なポリシーを持っているのが当たり前になっています。これをきっかけに、ゲーム、IP、ソーシャルメディアなど、さまざまな分野のインターネット企業が、NFTを次の収益化手段として真剣に検討することになるでしょう。この時点でそうしないのは、遅れをとっていることになります。

TikTokが当社のレイヤ2スケーリングソリューションを利用して、世界中のコミュニティが、お気に入りのクリエイターやアーティストがデザインしたカーボンニュートラルでガスのないNFTにアクセスできるようになったことは素晴らしいことです。私たちはデジタルオーナーシップの基準を作るお手伝いができること、そしてそれが私たちを次のステップへと導いてくれることに興奮しています。

参考:TikTok
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Alexey-Bezrodny・undefined-undefined・vi73777

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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