ブロックチェーン活用でCO2削減量を可視化
株式会社chaintopeが、ブロックチェーンを活用してCO2排出・削減量の算出及び可視化を実現するサービス「サステナビリティAPI」の提供を9月28日開始した。同社はこのサービスにより「2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現」に向けた国・自治体・企業・個人のCO2削減の取り組みを強力にサポートするとのことだ。
なおこの「サステナビリティAPI」にはchaintopeの独自ブロックチェーンである「Tapyrus(タピルス)」が利用されている。「Tapyrus」にCO2削減量の根拠となるデータを正確に記録し、CO2削減量等のこれまで確認することが難しかった環境価値をリアルタイムで可視化するとのこと。
「サステナビリティAPI」には、温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)排出量の算定と報告の基準である「GHGプロトコル」に則った算出方法が予め設定されており、煩雑な計算作業は不要となるとのこと。またこのサービスに搭載されているレポーティング機能を利用することにより今後開示義務化が進む環境報告書への準備が可能であるという。
またこのサービスは、各国間で今後導入が想定される国境炭素税などカーボンプライシングへの対応にむけた企業のサポートを予定しているとのこと。毎週の削減目標の達成度、CO2削減量のランキング、リアルタイムの地産地消率など、ゲーム感覚でCO2削減行動を促進するアプリケーションの提供も予定されている。
さらにCO2排出・削減量だけでなく、地熱発電、CO2分離回収設備、農業利用、排熱・排ガス利用、再エネ余剰電力利用、輸送の効率化などの環境価値の可視化に対しても「サステナビリティAPI」は応用できるとのことだ。
既に「サステナビリティAPI」は佐賀県佐賀市との利用契約締結により、佐賀市清掃工場等で運用が開始されているとのことだ。佐賀市内でのエネルギー等の地域内循環をリアルタイムで可視化、ごみ発電電力の地産地消による環境価値の電子証書化に成功したことが8月に発表されていた。
なお「サステナビリティAPI」と同様に、国内企業がブロックチェーンを活用してCO2排出量を可視化する事例として、三菱重工業と日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が今年5月に構築開始を発表した「CO2NNEX(コネックス)」などもある。
「CO2NNEX」は「IBM Blockchain Platform」を活用して二酸化炭素(CO2)流通を可視化するプラットフォームだ。
昨年、政府が「2050年カーボンニュートラル宣言」をしたことで、投融資先へのカーボンニュートラルの要求、サプライヤーに対する温室効果ガス排出目標設定の要求等、国内でもサプライチェーン排出量可視化の圧力の高まっている。そこにブロックチェーンを活用したCO2排出量可視化プラットフォームの事例は今後増えていくだろう。
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参考:チェーントープ
デザイン:一本寿和
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