NFTマーケットプレイスOpenSea、月間流通総額が約3,650億円に

OpenSea、月間流通総額が約3,650億円に

大手NFTマーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)の8月流通総額が約3,650億円(約33億ドル)となったことがブロックチェーン分析ツール「デューン・アナリティクス(Dune Analytics)」のデータで明らかになった。なおオープンシーの7月流通総額は約330億円(約3億2,700万ドル)であり、前月比で10倍を超える伸びをみせている。

オープンシーの8月23日時点では流通総額は約1,600億円であり、8月最終週で2倍以上流通総額が増えたこととなる。8月23日には決済大手企業Visaが人気NFTコレクタブルである「クリプトパンク(CryptoPunks)」シリーズの「CryptoPunk 7610」を1,600万円相当で購入していたことが明かされ、それによってクリプトパンクシリーズの価格上昇がみられたことなども、8月後半で流通総額を伸ばした一つの要因だろう。

ちなみに8月の1日あたりの流通総額が最大となったのは8月29日で、約330億円(約3億5,000ドル)を記録している。

そして8月の月間アクティブユーザー数は約22万人となっている。7月は約6万人なので約3.7倍となっている。

ちなみにメルカリの2021年6月の4Q決算説明会資料(9P)によれば、2021年メルカリ2Q(4月〜6月)の流通総額(GMV)は1,970億円と発表されており、OpenSeaはそれを上回る数値を8月1ヶ月で示していることになる。もちろんメルカリはNFTのマーケットプレイスではないため単純には比較できないが、オープンシーの月間流通総額が約3,600億円という数字は、NFT市場の拡大を示す十分な規模数字である。

NFTは2017年ごろからブロックチェーンゲームなどに活用されてきた技術ではあるが、今年に入り著名人やアーティストのNFTがオークションで高額取引されるなど話題を呼び、世界規模で市場拡大が続いている。今年前半の盛り上がりをバブルだと揶揄する声もあったが、8月のOpenSeaの数字をみるとまだまだ市場拡大が見込めるかもしれない。

7月のオープンシーの資金調達について

なおオープンシーは2021年7月20日にアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)が主導するシリーズBラウンドで約110億円(1億ドル)を調達したことを発表している。この資金調達により、オープンシーの企業価値は約1,600億円(15億ドル)となり、ユニコーン企業になった。

そんなオープンシーに続いて、すでに世界中ではさまざまなNFTマーケットプレイスが立ち上がっている。さらにバイナンスやFTXなど大手暗号資産取引所の参入も今年に入って激化している。またNFTを発行するブロックチェーンも昨年まではイーサリアムが主流だったが、他のブロックチェーンにも多数のマーケットプレイスが立ち上がり規模を拡大している。

国内ではコインチェック、LINE、モバイルファクトリー、GMOなどがすでに参入し、先日楽天も来春にマーケットプレイスを立ち上げると発表した。

今年後半にかけてプラットフォーム争いがより激化することが見込まれ、NFT市場がどこまで拡大していくのか注目だ。

参考:メルカリ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/incohre・artacet

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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