Datachain、イーサリアムとハイパーレジャーファブリックの相互運用性に関する実証実験開始

Datachain、イーサリアムとハイパーレジャーファブリックの相互運用性に関する実証実験開始

株式会社Datachain(データチェーン)が、イーサリアム(Ethereum)とエンタープライズ向けブロックチェーンであるHyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)のインターオペラビリティ実現の為に実証実験を行うことを8月31日発表した。

なおこの実証実験には株式会社NTTデータが技術パートナーとして参加し検証を行うとのこと。両社は今年3月にブロックチェーン間のインターオペラビリティ実現に向け技術連携を開始している。

リリースによると今回の実証実験では「Hyperledger Fabric上のデジタルアセットの権利移転」と「Ethereum上のステーブルコイン(USD Coin:USDCなどのERC20トークン)による支払い」という異なる台帳間の取引の同時実行(DVP決済)を技術的に検証を行うとのこと。

またイーサリアムとHyperledger Fabricの相互接続には、Datachainが開発を主導するHyperledger Labsプロジェクト「YUI」や「Cross Framework」などを用いることで、CosmosのIBC(Interchain FoundationおよびCosmosプロジェクトによって策定が進んでいる、ブロックチェーン同士の相互運用性を担保するための仕様標準)による仲介者の信頼に依存しない方式でインターオペラビリティを実現するという。

なおDVP(Delivery Versus Payment)決済とは、証券等の権利の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)を同時に行うことで、元本リスクを削減する決済手法のことだ。

Datachainは「イーサリアムとHyperledger Fabricのインターオペラビリティ」が、世界的にも新規性の高い取り組みであり、非常に高いニーズが見込まれていると説明。今後はHyperledger Fabric以外の主要エンタープライズ向けブロックチェーンとイーサリアムのインターオペラビリティも実現していくことで、世界中のより多くのプロジェクトへの応用が期待されるとリリースにて解説を行っている。

株式会社Datachainはブロックチェーンのインターオペラビリティ(相互運用性)について積極的に取り組む企業だ。

Datachainが開発を主導するHyperledger Labsプロジェクト「YUI」では、様々なブロックチェーン基盤においてIBCによるインターオペラビリティを実現するために「IBC Module」などの開発や、特定の中央集権型システムに依存せずに、異なるブロックチェーンに分散したデータの参照や機能の実行を行う「Cross-chain smart contract」の開発を可能にするフレームワーク「Cross Framework」を開発し特許出願も行っている。

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参考:データチェーン
デザイン:一本寿和
images:iStocks/klyaksun・artacet

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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