エルサルバドルが公式のビットコインウォレット「Chivo」発表、ビットコイン法施行にあわせ

エルサルバドルが公式のビットコインウォレット「Chivo」発表、ビットコイン法施行にあわせ

エルサルバドルのネイブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領がビットコインの法定通貨としての導入に伴い、デジタルウォレットの配布やサポートセンターの設置などを行うことを8月23日に発表した。

大統領のツイートによると、エルサルバドルの公式デジタルウォレットである「チーボ(Chivo)」がビットコイン法の施行日である9月7日にリリースされるとのこと。エルサルバドルの国民はこの「チーボ」のセットアップを行うことで30ドル分のビットコインを受け取れるとのことだ。

大統領は「チーボ」の利点について「このアプリケーションを使えば、第三者に手数料を払うことなしにビットコインやドルでの支払いを受け付けたり、スモールビジネスを開設してアプリケーションから管理したり、家族や友人からお金を受け取ったり、送金を行ったりすることができるようになります」と説明している。

一方で、大統領は「もし誰かが、現金を持ち続け、導入ボーナスを受け取らず、ビットコインを持っている顧客を獲得せず、ビジネスを成長させず、送金の手数料を払い続けたいのであれば、それを続けることができます」と述べ、ビットコインや「チーボ」の利用は強制ではないとしているが、この表現からはビットコインを促進させようとする想いが感じ取れる。

またデジタルウォレットの配布と同時に、「プントス・チーボ(PuntosChivo)」と呼ばれるサポートセンターの役割を果たす施設を50か所に設置することや、24時間現金の引き出しが行えるキャッシャーである「カへロス・チーボ(CajerosChivo)」を設置することを明らかにした。

エルサルバドル議会は今年6月8日にビットコインを法定通貨として規制する法案を可決しており、9月7日からその法律が施行される予定となっている。

ビットコインを法定通貨として導入することに対して否定的な意見も多く、国際通貨基金(IMF)は経済的・法的な懸念を表明しているほか、世界銀行はエルサルバドル政府によるビットコイン導入に関する支援要請を拒否したことを明らかにしている。

デザイン:一本寿和
images:iStocks/pgraphis・LongQuattro

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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