シグナム銀行がピカソの絵画を証券トークン化、1株約60万円で購入可
スイスのデジタル銀行シグナム(Sygnum)とアート投資企業アルテムンディ(Artemundi)が、ピカソの絵画『Fillette au béret:ベレー帽の少女』をトークン化するために提携したことを7月16日に発表した。
これは初めて規制認可の銀行がパブリック・ブロックチェーン上にピカソやその他のアーティストの所有権をブロードキャストした事例となるようだ。これにより投資家はアート・セキュリティ・トークン(AST)と呼ばれるアート作品の株式を購入・取引できるようになるとのことだ。
シグナムを通じて4,000トークンが発行され、投資家は約4.7億円(400万スイスフラン)で『ベレー帽の少女』の全株式を所有できるようになる。1株所有するための最低申込額は約60万円(5,000スイスフラン)からとのこと。決裁はシグナムが発行するスイスフランペッグのステーブルコインである「DCHF(デジタルスイスフラン)」で行われる。
すべてのトークンは、シグナムのデジタル資産取引プラットフォームである「SygnEx」でいつでも売買取引可能となる予定だ。
アルテムンディの共同オーナー兼CEOのハビエル・ルンブレラス(Javier Lumbreras)氏は「37年間の美術品収集の経験から、このようなことが起こるとは想像もしていませんでした。
普遍的な魅力を持つ芸術的・文化的な対象物は、かつてはエリートなコレクターや美術館だけのものでしたが、今では情報、知識、人脈、資本などの高い参入障壁の負担なしに、安全に直接所有することができます。アート市場は不条理に不透明で非効率的ですが、こうした特徴はすぐに過去の遺物となるでしょう」とコメントしている。
シグナムの共同設立者兼グループCEOであるマティアス・インバッハ(Mathias Imbach)氏は「シグナムは設立当初から、投資家が所有権や価値に直接アクセスできるようにすることを使命としています。
今回のFillette au béretのトークン化は、シグナムのミッションを現実のものとし、多くの人がアクセスできるユニークな投資機会の世界を切り開くことを象徴しています」とコメントしている。
参考:シグナム銀行
デザイン:一本寿和
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