株式会社モバイルファクトリーがNFT総合マーケットプレイス「ユニマ」事業戦略説明会を7月6日に開催した。同社は「ユニマ」を今年4月23日に発表し、事前登録が開始していたが、本日ローンチする運びとなった。
NFTマーケットは多く広がるだろう
事業説明会でまず株式会社モバイルファクトリー代表取締役の宮嶌裕二氏が現在のマーケットと事業戦略について話した。
宮嶌氏はNFTについて「海外ではものすごい勢いで広がっている。昨年に比べて8倍の市場拡大がある。日本でも各社サービスインが続いているが、今後(NFTの)マーケットは大きく広がるだろう」と話した。
その際にDecentralandのNFTが約一億円で購入された例や、国内暗号資産市場が2015年887億円から2018年86兆円に3年間で急拡大したことを説明し、「もしかしたらNFTも3年間で数千倍になる可能性もある」と話した。
さらに宮嶌氏は「今までいろんな会社にNFTをユニマで出しませんかとオファーしてきたが、自分たちで出したいという会社も多かった。だから私たちがバックエンドを提供するようなSaaSの事業も展開していきたいと思ってます」と自社プラットフォームのみならず、SaaSでの展開戦略も明かした。
さらに「ユニマポイント(仮)を軸にした経済圏形成を目指します」と構想を語った。
ユニマは購入者のプラットフォーム手数料が無料
つづいてモバイルファクトリー取締役執行役員 兼 株式会社ビットファクトリー代表取締役の深井未来生氏が登壇した。
深井氏はユニマの特徴について、日本円で決済が完結すること、購入者のプラットフォーム手数料が無料、さらにしっかりとした本人確認「KYC」があることを紹介した。
なおユニマでは今後電子書籍NFTを閲覧できるように進めているようで、BlockBase株式会社の「bazaaar books」とのビューアーの連携の予定も明かされた。
また深井氏より本日以降販売されるNFTについての予定が紹介された。
駅メモ!、山口周、杉田陽平、Buzz Magician Shin、いがらしゆみこ も参入
まずモバイルファクトリーの人気ゲームである「駅メモ! Our Rails」のステーションNFT、豊島園駅、永田町駅が本日11時から販売されるとのことだ。
さらに7月中には山口周氏の『「ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す」サイン入り再校ゲラ本』のNFTが販売されるとのことだ。
このNFT購入者には『ビジネスの未来』の再校ゲラ閲覧権、また山口周氏本人とのインタラクティブQ&Aイベントに参加できる権利、さらに同書籍の版元である、プレジデント社担当編集の渡邉崇氏との限定対談動画が閲覧できる権利が付与されるとのこと。販売数は3セットを予定している。
また8月にも『ビジネスの未来』初稿ゲラに、前述のQ&Aイベントに参加権、限定動画閲覧権がついたNFTが販売される予定とのことだ。
さらに杉田陽平氏による葛飾北斎の「富嶽三十六景」をモチーフにしたデジタルアート『Abstracted Hokusai』も発表され、説明会でそのNFTの元となる作品も展示された。
説明会に登壇した杉田氏はNFTを発行する理由について「個展をしてるときに宮嶌社長から声をかけてもらった。その時NFTについては詳しくなかったが、調べていくうちにこれはアートだけでなく、転換期になるもの、インターネットができた時のような発明だと感じた。だからチャレンジしようと思った」と話した。
そしてTikTokフォロワー数680万人を誇る、マジシャンBuzz Magician Shin氏とのコラボができる権利のNFT、「キャンディ・キャンディ」などの代表作を持つ漫画家いがらしゆみこ氏の作品の販売なども告知された。
また日本クリプトアーティストからは、marimosphere氏、mera takeru氏、三毛ヒゲ氏、ピプリクト氏の参加も発表された。
女優のん「ユニマでNFT作成、収益は東北に寄付」
またこの説明会に女優の、のん氏がビデオメッセージを寄せた。
ビデオメッセージでのん氏は「NFTはアーティストの新しい表現の場であり、可能性も秘めている」と話し、ユニマでNFTを発行することを発表した。
今後出品する作品の内容を検討する予定とのことだが、NFTの販売で得られた利益は、自身の第二の故郷である岩手県や東北地方に寄付する予定であることを明かした。
ユニマは当初はイーサリアムを活用
説明会後に深井未来生氏にあたらしい経済が取材したところ、ユニマはまずはイーサリアムのブロックチェーンを利用するとのことだ。また今後はセカンドレイヤーのチェーンも検討していくとだ。
また説明会の中で「ユニマポイント(仮)」によって独自の経済圏を作るということも発表されていた。それについての詳細は明かされなかったが、推測するに海外プラットフォームのガバナンストークンのような役割を果たすようなものが検討されているのかもしれない。
本日ローンチした「ユニマ」はGoogleアカウントでログインすることで利用ができる。登録後免許証などのIDをUPすることで本人確認が実施される仕組みだ。なおGoogleアカウントでログインすると、マイページにウォレットアドレスが表示される。ウォレットについてはシンガポールのTorus Labsの「TORUS」が連携されているようだ。
国内でもプラットフォームのローンチの発表が相次いでおり、また多くの国内著名人やアーティストのNFT発行のニュースも連日のように報道されている。ユニマのように日本円で決済できるプラットフォーム拡がってくることで、より今後の参入も増えるだろう。
今年後半にかけて日本国内でのNFT分野の競争は激化しそうだ。
参考リンク:ユニマ
お詫び:のん氏のコメント部分、岩手県や東北地方を「故郷」と記事内に明記しておりましたが、正しくは「第二の故郷」でした。該当部分修正させていただきました。