デジタルアーティストBeeple、NFTベンチャー「WENEW」設立

デジタルアーティストBeeple、NFTベンチャー「WENEW」設立

デジタルアーティストのビープル(Beeple)がNFTベンチャー企業「WENEW(ウィーニュー)」を立ち上げたことを自身のTwitterにて6月24日明らかにした。

「WENEW」が発表したリリースによると「WENEW」は音楽、スポーツ、コメディ、歴史などの象徴的な瞬間(モーメント)をブロックチェーン上に集める機会を提供することを中心に取り組むことを目的にしているとのこと。特にそのモーメントは、歴史の一部に関連し、様々な業界を網羅し、コンセプトは優れた業績や経験を称えることにあるようだ。

なおWENEWは、すでにタイム(TIME)、ユニバーサル・ミュージック・グループ(Universal Music Group)、ワーナー・ミュージック・グループ(Warner Music Group)、ワッサーマン(Wasserman)、エンデバー(Endeavor)と提携している。

WENEWはイーサリアムブロックチェーンを使用して、シングルおよびマルチエディションのNFTを様々な価格帯でオークションおよび直販するとのことだ。WENEWが作品を包括的に編集して各NFTリリースを補完し、より深い文脈上の意味を提供していくとのことだ。

またNFT購入者はデジタルトークンに加えて、フィジカルの形でそのモーメントを受け取ることができるようだ。そのモーメントはオフィスや自宅、ギャラリーなどに展示するための博物館品質のスクリーン上でループするビデオの形で提供予定とのことだ。 さらにお気に入りのアーティストとのディナーや、オールスター選手との1対1の試合など、一生に一度の体験が付いてくる商品も提供するとのことだ。

WENEWが最初にミント(鋳造)するのは、テニスプレーヤーのアンディ・マレー(Andy Murray)氏が2013年のウィンブルドンで優勝したことを記念したNFTとなる予定だ。このNFTは7月3日の午前9時(国際標準時)に販売が開始される予定だ。

ビープルはリリースにて「NFTは、人々がお金を投資する方法だけでなく、私たちが共有する経験をどのように考え、どのように顕著な業績を祝うかについて、新しいパラダイムを示しています。人々は、自分にとって重要な思い出や瞬間に有意義に関わることができます。WENEWは、かつては抽象的であったこれらのつながりを促進し、具体化するために存在しています」とコメントしている。

ウィンブルドン大会を主催するAELTCのコミュニケーション&マーケティング・ディレクターのアレクサンドラ・ウィリス(Alexandra Willis)氏は「アンディ・マレーとWENEWのコラボレーションにより、ウィンブルドンの歴史を象徴するような作品をNFTの形でお届けできることを大変嬉しく思います。私たちの伝統を維持するためにイノベーションを活用することは、私たちのマーケティングとブランド戦略の中核をなすものです。

2013年のウィンブルドンの決勝戦は、私の人生にとって大きな出来事でした。長い間、男子シングルスの優勝者がいなかったので、それを英国の人々と共有できたのは素晴らしいことでした。私はWENEWとウィンブルドンと協力して、この瞬間をNFTにし、ファンの皆さんにその記念すべき日を共有していただくことにしました。

ウィンブルドンがレガシーを重視していることからも、このプラットフォームとの協力は理にかなっていると思います。これは新しくてエキサイティングなことで、私も参加できることを楽しみにしています」とコメントしている。

参考:Twitter
image:PR Newswire

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。