米コインベースとForUsALL、暗号資産利用の確定拠出年金プラットフォーム発表

米コインベースとForUsALL、暗号資産利用の確定拠出年金プラットフォーム発表

米コインベース(Coinbase)が米中小企業向けの確定拠出年金運用アドバイザーForUsALL(フォーアスオール)と提携したことを6月10日に発表した。

そして両社は雇用主が従業員に対し暗号資産(仮想通貨)やオルタナティブ資産へ投資するオプションを提供するプラットフォーム「Alt 401(k)」の導入を発表した。「Alt 401(k)」は米国の確定拠出年金制度のうち、内国歳入法401条項に基づく個人向け確定拠出年金(401k)に基づくものとなっている。

「Alt 401(k)」の主な特徴として「1.伝統的な投資方法とオルタナティブ投資方法の両方を備えた、雇用者向けの一括受注発注方式の契約で自動化された個人向け確定拠出年金であること、従業員は残高の最大5%を特定の暗号資産にエクスポージャーを持つ安全な口座に移すことができること、従業員は50種類以上の暗号資産を購入、保有、売却することができること、従業員は継続的にポートフォリオのモニタリングと教育を受けることができること」がリリースにて説明されている。

また「Alt 401(k)」で暗号資産へのエクスポージャーを持つことで投資家(従業員)は「1.税務上の効率性、2.資産の多様性、3.利便性とセキュリティ」などが担保される可能性をリリースで伝えている。

ForUsAllのCEOであるジェフ・シュルテ(Jeff Schulte)氏は「あまりにも長い間、多くのアメリカ人が富裕層やプロの投資家と同じようにオルタナティブ投資を利用することができませんでした。私たちの使命はすべてのアメリカ人に明るい未来を築くために必要なツールを提供することであり、オルタナティブ投資をより簡単に利用できるようにすることはそのための重要なステップです。Alt 401(k)を導入することで、富裕層が富を得るための手段である、低コストのインデックスファンドを中心としたオルタナティブ投資の選択肢と、個人的なサポートへのアクセスを民主化することができます」とコメントしている。

ForUsAllの共同設立者であり、最高投資責任者であるデビッド・ラミレス(David Ramirez)氏は「現実には暗号資産への小規模なアロケーションを含むオルタナティブ資産クラスが、多くの機関投資家のポートフォリオの重要な部分を占めるようになってきています。このようなポートフォリオの構成要素へのアクセスと、これらの資産クラスを慎重に使用するための専門家の支援がなければ、平均的なアメリカ人は構造的に不利になる可能性があります。暗号資産への少額アロケーションを含むオルタナティブ投資は、ポートフォリオの分散化と期待リターンの向上に役立ちます。しかしこれらの資産クラスはボラティリティーが高く複雑なため、従業員に対する慎重な教育とアドバイスが不可欠です」とコメントしている。

コインベースのインスティテューショナル・カバレッジ部門の責任者であるブレット・テジポール(Brett Tejpaul)氏は「インスティテューショナル・プラットフォームを立ち上げた当初は機関投資家や富裕層が暗号資産にアクセスできるようにすることに重点を置いていました。次の進化はリーチを広げることであり、Alt 401(k)テクノロジープラットフォームのリーディングカンパニーであるForUsAllと協力して、Alt 401(k)を通じた暗号資産へのアクセスを拡大できることにワクワクしています」とコメントしている。

参考:ForUsALL
デザイン:一本寿和
images:iStocks/pgraphis

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。