米ネブラスカ州、デジタル資産管理企業向けの銀行設立フレームワークを包摂する法案「Financial Innovation Act」を成立

米ネブラスカ州、デジタル資産管理企業向けの銀行設立フレームワークを包摂する法案「Financial Innovation Act」を成立

米ネブラスカ州でデジタル資産管理企業向けに新たな銀行の枠組みを作る法案「Financial Innovation Act」がピート・リケッツ州知事に5月25日の午後5時ごろに署名されたとThe Blockが報じた。この法案の提唱者はマイケル・フラッド(Michael Flood)上院議員。またこの法案は、先週ネブラスカ州議会の一院制議会を46対2で通過していた。

「Financial Innovation Act」では、ネブラスカ州内の銀行がデジタル資産部門を設立することを認めている。さらに重要なことは、デジタル資産を扱う企業がデジタル資産を専門に扱う銀行になるために、今年2月に設立された規制認可を求めることができるということだ。従来の銀行とデジタル資産を扱う企業ともに、デジタル資産の保管は認めている。しかし、現金預金の受け入れや貸し出しは禁止されている。もちろん該当する銀行・企業は州の銀行・金融局の規制の管轄となる。

デジタル資産に特化した事業体は、ネブラスカ州では銀行を名乗ることが認められ、従来の銀行と同様の権限が与えられる。しかし従来の州立銀行とは多少の違いがあり、新設される銀行はデジタル資産のみを取り扱っていることを明確にしなければならず、現金での預金はできない。

マイケル・フラッド(Michael Flood)上院議員は「ネブラスカ州の規制の基準がやや高いことで、より高い正当性が認められ、暗号資産企業が同州に誘致されることを期待している」とThe Blockが報じている。

編集部のコメント

この法案は次の11条項が規定されています。

1.デジタル資産保管機関の設立、運営、清算、解散に関する手続きを定めています。
2.デジタル預託機関が現金を預かること、および現金を貸し出すことを禁止しています。
3.デジタル預託機関の本部および最高経営責任者の事務所をネブラスカ州に設置することを要求します。
4.デジタル預託機関を銀行持株会社が保有することを認め、既存の銀行による当該預託機関への投資を認めます。 5.口座に連邦預金保険公社の保険が適用されないことを顧客に通知する必要があります。
6.保証書または担保付投資、および特定の民間保険を要求します。
7.デジタル預託期間が連邦預金保険に加入できる場合は、その加入を認めます。
8.最低資本金を1,000万ドルとします。
9.デジタル資産預託機関は、デジタル資産を管理していることが明確な場合に限り、その名称に「銀行」という用語を使用することができます。
10.デジタル預託機関は連邦準備銀行システムへの加盟を申請することができます。
11.銀行・財務省の長官と知事は、管理費を賄うためにデジタル預託機関の評価額を設定する権限を有します。

参考:The Block
デザイン:一本寿和
images:iStock/Lubo-Ivanko・Ninja-Studio

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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