ナスダック上場企業マラソン、環境問題を考慮したマイニング施設建設へ
ナスダックに上場の米国マイニング企業マラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)がコンピュート・ノース(Compute North)と共同で、新たにビットコインマイニング施設を建設する計画を含んだ契約を締結したことを発表した。
またマラソンはコンピュート・ノースに対し、マイニング施設建設のために18ヶ月間、最大6,700万ドルのブリッジローンを提供することも明らかにした。ブリッジローンとは通常の資金調達前のタイミングでのつなぎ融資のような役割を果たす性質のものだ。
なおマラソンは新施設がテキサス州にある73,000台のASICマイナーを収容し、約70%のカーボンニュートラルを実現することを約束している。具体的には新施設の建設により、マラソンのマイニング機器のハッシュレートは約10.37EH/sとなり、同社の全施設におけるホスティングサービス、電力、データセンター管理、ホスティング関連資本支出の平均マイニングコストは、1kWhあたり0.0453ドルとなり、約70%のカーボンニュートラルとなるとのこと。
マラソンのCEOであるフレッド・ティール(Fred Thiel)氏は「コンピュート・ノースは当社の長期的なパートナーであり、今回の新たな契約により関係を拡大することで、これまでに購入した103,120台のビットコイン・マイナーすべてについて、経済合理的なホスティング環境を確保することができました。今回の契約により、当社は北米で最も大きく、最も効率的で、最も環境に配慮したビットコイン・マイナーになるための明確な道筋ができました。さらにこの契約の構造は、設備投資をせずにマイニング機器に必要なインフラを構築することができ、価格上昇のリスクを軽減しつつ、必要に応じて代替地を検討する柔軟性を提供するという点で、非常に有利なものとなっています」とコメントしている。
マラソンの取締役会長であるメリック・オカモト(Merrick Okamoto)氏は「コンピュート・ノースとの新たな契約により、ビットコイン・マイナーに優しいことが証明されている規制環境の中で、当社のマイニング機器のホスティングサービスを運営することが可能になり、その料金は北米で最も安いものになると思います。当社が北米で有数の企業向けマイナーになるために事業を拡大していく中で、当社のマイニングプールもそれに追随していくと考えています。当社の採掘機が完全に配備され、100%カーボンニュートラルな環境に移行した暁には、当社のマイニングプールは世界のトップ10に入るだけでなく、100%カーボンニュートラルで米国のOFAC(Office of Foreign Assets Control)準拠のビットコインを生産する最初で唯一のマイニングプールになると確信しています」とコメントしている。
コンピュート・ノースのCEOであるデイブ・ペリル(Dave Perrill)氏は「マラソン社との関係を拡大し、カーボンニュートラルなホスティング運用を提供することで、同社のESG目標達成に貢献できることを嬉しく思います。当社独自のTIER 0データセンターモデルにより、コンピュート・ノースは、大規模かつ低コストで環境に優しいホスティングとインフラを提供するサービスプロバイダーとして知られており、マラソンの成功に貢献できることを誇りに思います」とコメントしている。
ちなみにこのニュースを受けて、マラソンの株価は約5%上昇した。
(images:iStocks/LongQuattro・sdecoret)