JASRAC、ブロックチェーン活用の楽曲情報管理ツールの実証実験

JASRAC、ブロックチェーン活用の楽曲情報管理ツールの実証実験

日本音楽著作権協会(JASRAC)が、音楽クリエイターが自ら行う楽曲管理におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための実証実験を2020年12月から2021年2月までの期間にて行っていたことを5月24日発表した。

具体的にはブロックチェーン技術を用いた存在証明機能付きの楽曲情報管理ツールに登録した情報を起点にして、JASRACを含む音楽関係のさまざまなビジネスパートナーとのデータ連携、各種申請・登録や契約を定型化・簡素化して電子化するデジタルサービスのプロトタイプを構築したとのこと。

この実証実験ではJASRACとソニーグループ株式会社によるブロックチェーン技術活用に関する共同の取り組みの一環として、JASRACと管理委託契約をしているクリエイター(JASRACメンバー)13名、JASRACと契約していないクリエイター(ノンメンバー)18名、合計31名の音楽クリエイターが参加し行われた。

リリースによると現在、この実証実験で参加メンバーから示された意見、課題を踏まえ、機能の追加や改善を加えるなどして2022年の実用化を目指しているとのことだ。

編集部のコメント

JASRACが今回のような「音楽クリエイターが自ら行う楽曲管理におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための実証実験」を行う理由として個人クリエイターの増加を挙げています。

リリースによると音楽業界では、インターネットやスマートデバイスの普及を背景に、グローバルで展開されるストリーミングサービスが定着するとともに、楽曲制作からマーケティング、ディストリビューションまでのプロセスのデジタル化が進んでおり、これらを自ら行う個人のクリエイター(DIYクリエイター)が増加しているといいます。これらDIYクリエイターは自室等でデジタル楽曲創作ツールを活用して創作を行い、エイリアス(抽象度や匿名性が高いペンネーム)で活動することが多く、いざ楽曲の無断利用や「なりすまし」による公開に遭遇した際に有効となる簡易な対抗手段がない、といった課題や既存の使用料分配の仕組みやJASRACとの管理委託契約・楽曲登録が複雑・煩雑であるなど、DIYクリエイターにとって既存の著作権管理システムの利用はハードルが高いといった指摘もあるとのことです。

参考:JASRAC

(images:iStocks/paitoonpati・Aleksei_Derin)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

広告

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された